スムーズな相続のために④ 養子縁組や認知について理解しておく。

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

街の花屋さんでヒヤシンスを見かけることが多くなりましたね。

わが家のヒヤシンスも順調に生育してます。

 

このところ相続についていろいろと書いてます。

前回は、「相続人を確定する作業は手間も時間もかかる、けっこう大変なんだと知っておいたほうがよい」というお話でした。

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スムーズな相続のために・・・相続人確定の作業は意外なほど大変。

前回の記事では、亡くなった方の古い戸籍を調査したところ、以前に結婚・離婚歴があって、他にも子供がいた、という例を挙げました。

相続人確定の作業の中で、それまで知らなかった相続人が浮かび上がる、という例としては、「認知」の問題もあります。

「認知」というのは、結婚していない相手との間に生まれた子を「自分の子である」と認めること。認知によって法律上の親子関係が生じます。

「認知した」という事実は、亡くなった方の最後の戸籍からはわからない場合もあって、古い戸籍を調べて初めて発覚することがあります。

もちろん、大騒ぎになります。

「認知した人」と「認知された子」の関係は、「法律上の親子」です。

ですから、認知された子は亡くなった方の相続人です。

当然のことです。

「そんな子は相続人と認めない!」

などと騒いでも、何の意味もありません。

淡々と手続きを進めて行くしかないのです。

ここまで、「戸籍の調査で浮かび上がった相続人」の例として、「前婚の子」と「認知された子」を挙げました。

これとはちょっと性質の違うものに「養子」があります。

「養子」については、「存在は明らかだけれど、法的な意味を勘違いしている」という場合が多いのです。

「父が亡くなりました。相続人は母と私の2名です。弟がいますが、他家に養子に行ってますので関係ないですよね?」

といった場合です。

いやいや、関係あるのです。

「でも、弟は養子先の相続人になるのでしょう?」

はい、そのとおりです。

養子に行くと、養親が亡くなった場合には相続人となります。

「ということは、弟は養子先の遺産をもらえるワケで、それに加えてウチの遺産ももらえるなんて・・・おかしくないですか? ズルいですよね?」

いえいえ、ズルいとか、そういう問題ではないのです。

普通養子の場合、養子縁組をしても、実の親との親子関係が消滅するわけではないのです。

(「特別養子」の場合には話が違ってきますが。)

養子縁組の制度は、

「養親と養子の間に法律上の親子関係を生じさせる」

ものであって、

「実の親との法律上の親子関係を終了させる」

ものではないのです。

(「特別養子」の場合は話が違ってきます。)

ここのところの勘違いが多いのです。

なぜ勘違いが多いかというと、「生活上の実感」とズレているからだろうと思います。

でも、相続の場面では法律に則って進めていく必要があります。

ご家族の中で、

「弟はよそへ養子に行ったんだから遺産はいらないよね」

という空気があって、弟さん自身もそのつもりでいるのならば、それはそれでよいのです。

養子に行った弟を含めた相続人全員で

「弟は遺産を取得しない」

という内容の遺産分割協議を行えばよいのです。

弟は、相続人として、必ずこの協議に参加しなければなりません。

それが「法律に則って」ということなのです。

協議の内容は当人たちの自由です。

協議の内容に「生活上の実感」を反映させればよいのです。

 

なるほど、と思っていただけましたら幸いです。

 

 

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2018年2月14日 | カテゴリー : 相続・遺言 | 投稿者 : Kazuko Kataoka