こんにちは。司法書士の片岡和子です。
5月10日に植え付けた苗がどんどん育ってます。
「スーパーチュニア」という名前で売ってたのだけど、つまるところペチュニアなんだと思います。
もっともっと大きく育てます♪
さて、今日の話題は「養子縁組と相続」です。
これ、誤解している方が多いのです。
最初に結論から書いてしまいましょう。
普通養子縁組では実方(じつかた、縁組前の親族のこと)との親族関係は終了しません。
つまり「養子に行った弟も父の相続人である」が答えなのです。
詳しく(でも、わかりやすく)ご説明しましょう。
まずは「養子縁組」とは何か、正確な理解が必要です。
手元の法律用語辞典によると、養子縁組とは
「当事者間において、親とその嫡出子との間の親子関係と同一の法律関係を設定することを目的とする身分上の契約。」
だとのこと。
う~ん、難しいですか?
ごくごく簡単に言ってしまうと「法律上の親子関係をつくること」です。
「嫡出子」は「法律上の婚姻関係にある夫婦から生まれた子」です。
それと同じ法律関係を設定する、というのですから、要するに、法律的に親子関係となるワケです。
親子なのですから、扶養義務も発生しますし、養親が亡くなれば養子は相続人となります。
・・・ここまで理解できたとして、では「もともとの家族との関係はどうなるのか?」という問題です。
これは「特にどうともならない」というのが答えです。
実方の親は変わらずに親ですし、実方の兄弟は変わらず兄弟です。
二重の親子関係、二重の兄弟関係が生じることになるのです。
何故か? というと、「元の親族との法律上の関係が切れる」という規定がどこにもないから、です。
・・・ということは、実方の親が亡くなれば、養子に行った子も相続人となります。
この部分を勘違いしている方が多いのです。
それはおそらく「元の家と、養子に行った先の家、どちらも相続するの? ズルいんじゃない? 不公平なんじゃない?」という素朴な直感から来ているのだと思います。
でも、法律上は実方・養子先、どちらでも相続人となるのです。
「遺産の二重取りなのか?」と憤る方もいらっしゃるかもしれませんが、そうなっているものは仕方がありません。
法律に則って手続きを進めていく他はないのです。
(・・・以上は「普通養子」の場合の話です。
実は、この考え方が当てはまらない場合があるのです。それが「特別養子」です。
特別養子の場合は、実の親との関係が消滅します。
というか、実の親との関係を消滅させなければならない切実な事情がある場合に使われるのが「特別養子」の制度なのです。まさに「特別」なのです。)
いかがでしょう。
なるほど、と思っていただけましたら幸いです。
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