こんにちは。司法書士の片岡和子です。
もうすぐクリスマスですねえ。
事務所玄関の手ぬぐい飾りもクリスマス柄。
そして、今年もあと少し。
時間の経つのは速いなあ・・・。
さて。
ちょっとネガティブな話なのですけれど。
私、成年後見関連の仕事に対する情熱が年々薄れて来ているのです。
理由はいろいろとあるのだけど、その中の一つが「世の中からの無理解」。
成年後見制度はネット上でも叩かれるし、週刊誌などの取り上げ方もひどいものが多くて。
なるべく見ないようにしているのだけど、やっぱり目に飛び込んで来ることもある。
まるで自分が「最悪の制度に加担してうまい汁を吸う極悪人」みたいな気にさせられます。
「そんなことはない!」と言ったり書いたりするとボコボコに叩かれそうな気がして、この分野のブログ記事の更新も滞りがちです。
もう還暦過ぎて体力的にもキツいものがあるし、この分野から少しずつ手を引いていこうかなあ、なんてことも考えます。
そうそう、今日は「成年後見人の報酬」のことをお話しするつもりなのでした。
「月額2万円」が基本となっているのですが、これに対して「ケシカラン!」と感じる方が多いようです。
私は「妥当」だと感じています。
ご本人の通帳や重要書類を預かって管理する。
定期的に記帳して入出金の状況を確認。
引き落としに対応していない支払いに関しては、振込やコンビニ払いで対応する。
役所から次々と届く介護保険関連、各種給付金などの様々な書類の内容を確認して処理する。
入所先からの物品調達の依頼に対応する。
体調を崩して入院された場合には入退院手続き。
その他、いろいろ、いろいろ、いろいろいろいろ・・・。
もちろん定期的にご本人にもお会いしに行きます。
あるお一人の方のために1か月に使う時間と労力を考えると「2万円」は妥当だと思います。
それなのに何故こんなに批判されるのか。
たぶん勘違いがあると思うのです。
「持病で毎月病院に通っていろんな検査をするけど2万円もかからないのに」とか「親が週に2回デイサービスに行ってるけど月に1万円も払ってないよ?」とか。
その感覚で比べてしまうのでは? と思うのです。
アタリマエだけど、病院もデイサービスも「保険」の対象。
医療保険とか介護保険とか。
でも、アタリマエになりすぎて、感覚がおかしくなってしまうのでしょうねえ。
介護保険の負担割合が1割の人がデイサービスに月額1万円払ったとしたら、実際にかかっている費用は「10万円」です。
その事実をきちんと認識した上で改めて考えると、「面倒な事務処理をひっくるめて引き受けてもらって月額2万円」は「法外」と言えるでしょうか?
逆から考えてみましょう。
もしも成年後見制度の利用が公的保険の対象だったとしたら?
1割負担の場合、「月額2000円」ということになりますよね。
高齢になると身体能力も判断能力も低下する、そしたら毎月の出費として「医療費5000円、介護サービス利用料10000円、財産管理・各種事務処理委託料2000円」が必要になる、という話だったらそれほど抵抗なしに受け入れられると思うのですが。
「月額2万円(公的保険の対象だったとしたら2000円)」のボリューム感は極めて妥当では? と思うのですが。
いかがでしょう?
おかしなことを言ってますでしょうか?
じっくりと考えてみていただければなあ、と思います。
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★成年後見制度の利用を完全に確実に回避する方法は・・・ない。