戸籍に有効期限はあるの?

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

ご無沙汰してしまいましたけど、元気ですよ~!

いい季節ですねえ。

気候がいいと気持ちが明るくなって、新しいことをやってみたくなりますよね。

で、新しいイヤリングを購入。

ホンモノの真珠じゃなくて、オモチャみたいなものなのだけど、これ、大きいんですよ。直径が1センチ以上ある。

で、これを耳にくっつけてゴキゲンでいたら・・・

電話の際に邪魔になることに気が付きました。

あ、これは仕事中はダメだ。休日限定だな。

でも、新しいアクセサリーっていうのは、やっぱり気分がウキウキします。

 

さて、今日は戸籍のお話。

先日お引き受けした相続登記の案件。

不動産が複数あって、申請先も複数。

申請先の数だけ証明書類を集めると、それだけで手数料もたくさんかかってしまします。

そこで、依頼者との打ち合わせの際に

「戸籍などの証明書は一組だけ取得して、まずはA法務局に申請して、それが終わって書類が戻ってきたら次はB法務局・・・というふうに順次やっていきましょう。急ぐ必要もない案件ですし。」

とご提案したところ

「それで大丈夫なんですか? 戸籍の有効期限が切れてしまいませんか?」

という質問を受けました。

このご質問、けっこう多いんです。

このご質問に対するお答えは

「戸籍そのものに有効期限があるわけじゃないんですよ。」

ということになります。

まずは「そもそも」のお話から。

「戸籍」は役所にある記録のことです。

この戸籍の内容が必要になった場合には、役所で「戸籍についての証明書」を出してもらうことになります。

いろんな手続きで「戸籍を取得してきてください。」と言われるのは、正確には「戸籍についての証明書をもらってきてください」ということなのですね。

では、この「証明書」に有効期限があるのかというと、証明書そのものに「有効期限」はありません。

相続登記の場合で考えてみましょう。

山田太郎さんが平成25年3月1日に亡くなったとしましょう。

奥さんの花子さんは各種手続きのために、平成25年5月1日に戸籍の証明書を取得しました。

その証明書には太郎さんの死亡の事実と、死亡日時が記載されています。

配偶者である花子さんについてもいろいろと記載されています。

この証明書の末尾には「これは、戸籍に記載されている事項の全部を証明した書面である」と書かれていて、「平成25年5月1日」という日付が入っています。

この証明書は3年前に発行されたもの、ということですね。

では、平成28年に相続登記を申請する際にこの証明書が使えるのか? というと、これは「使える」というのが答えです。

なぜなら、この証明書からは「平成25年3月1日に山田太郎さんが亡くなった」という事実と同時に、「山田太郎さんが亡くなった時点で奥さんの花子さんは生きていた」という事実がわかるからです。

すなわち「山田花子さんは山田太郎さんの相続人である」ということが、この証明書からわかるのです。

「有効期限」といった問題ではないのですね。

では、この平成25年に発行された証明書は山田花子さんが平成28年にパスポートの申請をする際には使えるでしょうか?

答えは「使えない」です。

なぜなら、「パスポート申請の際には6か月以内に発行された戸籍謄本等が必要」と定められているからです。

なぜそんな決まりになっているかというと、「あまり古いものだと現状を反映していないから」ということだろうと思われます。

平成25年5月1日以降、山田花子さんは本籍が変わっているかもしれませんし、再婚して氏名が変わっているかもしれません。

そもそも生きているのか、実在の人物なのか、ということは3年前の戸籍の証明書からはわかりませんから。

いかがでしょうか。

「戸籍そのものに有効期限があるわけではない」けれども「手続きによっては『○か月以内のもの』を求められることもある」ということを何となくでもイメージしていただけたら幸いです。

 

 

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2016年5月1日 | カテゴリー : 相続・遺言 | 投稿者 : Kazuko Kataoka