こんにちは。司法書士の片岡和子です。
今日の午前中は新宿区役所へ。
用事を済ませて自由が丘まで戻って大井町線のホームにいたら、回送電車がやってきました。
ん? 黄色・・・?
東横線の「渋谷ヒカリエ号」です。
これが大井町線を走ってるのは、たぶん、とっても珍しいことなんじゃないかと思って写真撮っておきました。
さて、今日は養子縁組のお話です。
このところ、ちょっと必要があって「未成年者を養子にする場合の家庭裁判所の許可」について調べていたのですが、そこで、ふと気がついたことが。
そもそも「養子縁組はどうやって成立するのか」について、よく知らない方も多いんじゃないだろうか、ということ。
皆さん、ご存知ですか?
実は、「届出」によって成立するのです。
届出先は市区町村役場です。
これって、結婚の場合と同じ。
芸能人が「本日、婚姻届を○○区役所に提出しました!」なんてやってる、あれと同じなのですね。
もちろん、「法律上の親子となる」という意思は必要なのですが、戸籍法の定める届出をして初めて養子縁組は成立するのです。
でも、「届出さえすれば、どんな場合でも養子縁組が成立する」としてしまうことには問題があるのです。
たとえば未成年者の場合。
届出だけで簡単に養子縁組が成立する、なんてことでは、人身売買まがいのことも可能になってしまいます。
そこで、未成年者を養子とする場合には「家庭裁判所の許可」が原則として必要、ということになっています。
未成年者を養子とすることがOKかどうか、事案ごとに、実質的な審査をするのですね。
そして、この審査をする役目は、届出を受け付ける役場ではなくて家庭裁判所が担っているのです。
なぜ家庭裁判所なのか、というと、それは「家庭」問題を扱う「裁判所」だから。
「裁判所」というと、何だか、争いごとの場所、というイメージがありますけど、決してそればかりではなくて、「子供の福祉」のために必要な判断をする、という機能も持っているのです。
家庭裁判所には「調査官」という人たちもいて、実際に現場へ出向いて聞き取り調査を行ったりするのです。
ちょっと話がそれてしまいましたが、家庭裁判所の許可が必要な場合でも、養子縁組の成立には、やっぱり「届出」が必要であることには変わりありません。
なので、家庭裁判所から許可がもらえたら、その「許可審判書」を添えて区役所などに届出をする、という流れになります。
ついでに、のお話ですが、養子縁組の届出には証人2名の署名押印が必要です。
これも、婚姻届と共通するところですね。
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