こんにちは。世田谷区等々力の司法書士です。
成年後見に関するご相談をお受けしたり、申立ての支援をしています。
また、専門職として成年後見人等への就任もお引き受けしています。
事務所の最寄駅は東急大井町線の尾山台または九品仏。
お気軽にご相談においでくださいね。
どなたかに成年後見制度の利用が必要になった場合、家庭裁判所へ申立てをして、後見開始の審判をしてもらうことになるのですが、この申立ては、誰でもができるわけではありません。
「申立人」になれるのは、一定の人に限られています。
申立て手続が難しい場合には、私のような専門家が支援することはできますが、その「支援」とは、書類を集めたり申立書を作成したりすることであって、私自身が申立人になって申立てをする、ということではないのです。
申立人になれる人は、法律で定められています。
その中に、「四親等内の親族」が含まれています。
この「四親等内の親族」とは、どの範囲なのでしょうか。
そもそも、「親等」って?
民法726条には「親等の計算」について定められています。
第1項には「親等は、親族間の世代数を数えて、これを定める。」と書いてあります。
具体的に考えてみましょう。
「私」から見て「親」は世代がひとつ異なりますから、「親」は一親等です。
「私」からみて「祖父母」は世代がふたつ異なりますから、「祖父母」は二親等です。
また、民法726条第2項には「傍系親族の親等を定めるには、同一の祖先にさかのぼり、そこから下って数えた世代数による」という趣旨の内容が書かれています。
具体的には、兄弟の関係を考えるとわかりやすいです。
「私」と「弟」の同一の祖先は「親」ですから、「私」~「親」~「弟」と数えます。
すると、「私」から見て「弟」は二親等ということですね。
「叔父さん」ならば、どうなるでしょうか。
「私」と「叔父さん」の同一の祖先は「祖父母」ですから、「私」~「親」~「祖父母」~「叔父さん」と数えて、三親等となります。
少しご理解いただけましたでしょうか?
ここで、成年後見申立てのお話に戻りましょう。
もしもあなたの叔父さんが、成年後見制度の利用が必要な状態になったとしたら、あなたは叔父さんの「四親等内の親族」にあたりますから、あなたが申立人になることができる、ということです。
逆に言えば、あなたが判断能力の低下した叔父さんのことを心配して、専門職に叔父さんの後見人になってもらおう、と考えたとしたら、あなたが「申立人」として申立てをする必要がある、ということ。
専門職は後見人に就任することはできるけど、申立人にはなれないのです。
成年後見制度の利用、専門職への依頼を検討される際には、ぜひこの点をご理解いただきたいな、と思います。
【2019年2月19日追記】
この記事では「叔父さん」を例にしてご説明しました。
でも、「叔父さん」には「血のつながっていない叔父さん」もいますよね。
その場合にはどうなるのかについても記事を書いてあります。
ぜひ参考になさってください。→ こちら
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