こんにちは。世田谷区等々力の司法書士です。
成年後見に関するご相談をお受けしたり、申立てのサポート等をしています。
また、実際に成年後見人に就任することもお引き受けしています。
事務所の最寄駅は東急大井町線の九品仏または尾山台。
お気軽にご相談においでくださいね。
さて、今日の話題も、このブログへの検索ワードから。
「成年後見人 報酬 誰が払う」
という検索があったので。
成年後見人の報酬を払うのは本人、つまり成年被後見人です。
判断能力が低下しているからこそ成年後見制度を利用するのですから、その判断能力の低下した被後見人本人が報酬を支払う、という状況は、とてもイメージしにくいようです。
それで、
「家族が払うのかな?」
と思う方もおられるようです。
私も、専門職として後見人に就任していますが、ご家族から
「お支払いはどうすればいいんでしょう? 全然請求もされないし、いつ、いくらお支払すればよいのかわからなくて、どうなってるんだろうと心配で・・・」
と尋ねられたことがあります。
その方には、「報酬のめやす」として「月額○万円ぐらい」と説明したことがあったので、毎月ご自分のところへ請求書が来るのだと思われたようで・・・
私の説明不足で、思わぬ心配をかけてしまいました。
もう少し詳しくご説明しましょう。
専門職が後見人に就任すると、毎年一回、決められた月に家庭裁判所へ報告書を提出します。
それと同時に「報酬付与の申立て」をします。
すると、家庭裁判所が「報酬付与の審判」をしてくれて、「審判書謄本」が送られてきます。
そこには
「平成○○年○月○日から平成○○年○月○日までの報酬として、本人の財産の中から○○万円を与える。」
と書かれています。
この審判書謄本を受け取った後見人は、自分の管理している被後見人の口座から○○万円を引き出して受け取るのです。
つまり、これは
「被後見人が後見人に報酬を支払った」
ということになるのですね。
実際には、後見人が自分で引き出して受領しているのですけれど。
原則として、報酬は一年分の後払いです。
金額は家庭裁判所が決めます。
報酬額は家庭裁判所が決めるのですから、
「お安く後見人になってくれる司法書士さんを探そう!」
なんてことはあり得ません。
「報酬額高すぎる。少しまけてくれませんか?」
なんてこともあり得ません。
ところで、「報酬」と「費用」は異なります。
後見人が被後見人に会いに行った際の交通費や、後見人が被後見人のために行った送金の手数料、事務連絡に使用した切手代などは「費用」です。
費用は、随時被後見人本人の財産の中から支出します。
専門職は、後見人としての日々の活動の中で、これらの費用の出費はきちんと記録しています。
いろいろと書いてきましたが、
「成年後見人の報酬を支払うのは被後見人本人です。」
というお話でした。
☆こちらの記事も読んでみてね☆
★成年後見制度の利用を完全に確実に回避する方法は・・・ない。