成年後見人の報酬は1年ごとの後払い。

こんにちは。司法書士の片岡和子です。

今日の午前中は所用で世田谷線方面へ行ってきました。

バスを利用です。

同じ世田谷区内でも、鉄道路線によっては微妙に不便なので、バスを使うことも多いのです。

写真は等々力操車所。

ここから出るバスは結構便利です。

 

今日は「成年後見人の報酬」のお話。

実は「1年分まとめて後払い」なのです。

へえ~、でしょ。

(ここから先は、東京家庭裁判所での扱いです。他の家庭裁判所では扱いが異なるかもしれませんので、ご注意ください。)

新しい案件を引き受けて成年後見人になると、家庭裁判所から「毎年の報告月」を指定されます。

まずは財産調査を行って財産目録や収支予定表を作成して「初回報告」として提出するのですが、その後は毎年「報告月」に定期報告を行うのです。

例えば、報告月を「7月」と指定された案件では、「前年の7月1日~その年の6月30日」についての報告書を7月に提出する、という形になります。

そして、報告書と一緒に「報酬付与申立書」を提出します。

「この1年間、成年後見人として活動しました。活動内容は報告書のとおりです。ですから、私に対して相当額の報酬を与えるとの審判をしてください。」という申立をするのです。

すると、報告書の内容等が審査されて、問題がなければ「○○万円の報酬を付与する。」という審判がなされるのです。

その審判書が送られてきて初めて、成年後見人は報酬を受取ることができるのです。

家庭裁判所によっては「報酬のめやす」のようなものを示していて、そこには「月額○万円~○万円」と書かれていたりするのですが、その金額を毎月受取っているワケではないのです。

1年間汗を流して一生懸命頑張って、その後にようやく報酬にありつくことができる、という世界なのです。

・・・そんな次第で、今日はこれから、今月が報告月の案件の報告書作成に取りかかります。

1年間頑張ったのですよ~。

成年後見人の報酬には厳しい目が向けられることも多いのですが、我々専門職の頑張りを認めていただければなあ、と思います。

さて、ちょっと余談です。

この新型コロナの騒ぎで、家庭裁判所も一時期業務を縮小していました。

で、いつもだったら定期報告のあと2週間ほども待てば報酬付与の審判書が届いていたのが・・・

全然来ない! という状態になっていたのです。

ということは・・・収入がない! のです。

あらまあ、大変。

でも、「1年後」に慣れているので、2、3か月遅れたぐらいでは驚かない、みたいな面もあり・・・。

あ、家庭裁判所も徐々に通常モードに戻っているようで、6月下旬ごろから順次審判書が届き始めましたので、どうぞご心配なく。

 

 

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2020年7月7日 | カテゴリー : 成年後見 | 投稿者 : Kazuko Kataoka