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今日は相続のお話です。
ある方が亡くなられて、相続人はAさんとBさんの二人だけだったとしましょう。
AさんとBさんは亡くなったお父さんの息子たち、兄弟です。
葬儀や、その後の片づけ等も一段落し、Bさんは、遺産分割の話し合いを始めようとしました。
ところがAさんは、「親父は遺言を残していた。公正証書だ。内容は財産の全てを俺に相続させるというものだ。だから、遺産は全て俺のもの。話し合いの必要はない。」と言います。
驚いたBさんは、「遺言書なんて知らない。本当にあるのか? あるなら出して見せろ。」と言います。
Aさん、「遺言書はある。しかし見せる義務はない。」
Bさん、「見せられないということは、遺言書などないのだろう。」
Aさん、「いや、ある。」
さあ、Bさんは困ってしまいます。
Bさんは一体どうすればよいのでしょう。
実は、Bさんは、いつまでも、ある、ない、見せろ、見せない、とやりあうよりも、さっさと動いてしまえばよいのです。
最寄りの公証役場へ行き、お父さんの遺言があるかどうか、検索してもらえばよいのです。
(この検索は、誰でもできるわけではなくて、Bさんは相続人であるから、できるのです。ですから、相続人であることを証明する戸籍謄本などが必要になります。あまり古い遺言だと検索できない場合があることにも注意。)
もしも「ある」と判明した場合には、どこの公証役場に遺言書の原本が保管されているかわかりますので、その公証役場へ行って謄本をもらえばよいのです。
(謄本というのは、原本をコピーしたもの、と考えればよいです。謄本をもらうには、やはり戸籍謄本などが必要になりますし、手数料もかかります。)
そうすれば遺言の内容がわかります。
Aさんの言っていることが本当なのかどうか、確認できます。
もしも本当に「全財産をAさんに相続させる」という内容だったとしたら、この問題は次のステージに進みます。
具体的には、遺留分減殺請求をするかどうか、などについて検討していくことになります。
以上、公正証書遺言の場合でした。
自筆証書遺言の場合については、また機会があったらお話しますね。
【2020年7月11日追記】
この記事は2015年に書いたものです。
遺言の制度、遺留分の制度については、当時と現在とで異なる点がありますのでご注意下さい。
記事の内容は参考になると思いますので、そのまま残します。
自筆証書遺言の場合については別の記事で書いてありますので参考になさってください → こちら
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★遺言書を見せてもらえない時はどうする ~自筆証書遺言の場合~
★【遺言書保管制度】③公正証書遺言と比較・結局費用の問題なのかな。