こんにちは。司法書士の片岡和子です。
今日は、相続・遺言のお話です。
ご家族が亡くなられると、葬儀等で多忙な日が続くことでしょう。
そして、それが一段落すると、次に「相続」の問題が目の前にあらわれてきます。
相続税はかかるんだろうか、申告の必要はあるのか?
銀行口座はどうすればいいんだろう、
家や土地は名義変更しなくちゃいけないんだよね?
そもそも、誰が、何を相続するんだろう?
話し合いをしなければいけないのかな・・・
次から次へと疑問がわいてきます。
そんな時、友人から一言「遺言はあったの?」。
えっ? 遺言? どうなんだろう・・・
遺品は整理してるけど、そんなものは見かけていないし、誰かが預かってるなんて話も聞いてないし・・・
でも、お父さんのことだから、後のことはしっかり考えていたはず・・・
遺言、作っていたかもしれない・・・
そういえば、
「お前たち兄弟は遺産争いなんてしないと思うけど、それでもやっぱり、きちんとしておくのは親の役目なんだろうな。」
なんて言ってたことがあった・・・。
「遺言は公正証書がいいらしいな。」
とも言ってたっけ。
こんなときに、故人が公正証書遺言を作成していたかどうかを確かめる方法があるんです。
公証役場に行けば、遺言書が作成されたかどうか検索してくれるんです。
どこの公証役場でも検索をお願いできます。
ご本人が存命の間は、遺言の有無を確認することはできませんから、ご本人が亡くなったことを示すために戸籍謄本が必要になります。
また、検索を依頼する人が相続人であることを示すための戸籍謄本も必要です。
それから、運転免許証などの本人確認書類が必要です。
検索できるのは、平成元年以降に作成された公正証書遺言です。
こうやって検索してもらって、公正証書遺言が「ある」とわかった場合には、どこの公証役場に遺言が保管されているかがわかりますので、その公証役場に行って、遺言書の謄本を交付してもらうことになります。
公正証書遺言が「ない」とわかれば、引き続き、遺品の中に自筆の遺言書がないかどうか探してみることになります。
貸金庫に遺言書が保管されていた、なんていうこともあるようです。
遺言書が発見されれば、遺言書の内容に従って財産を分けることになります。
(自筆の遺言書が見つかった場合には、「検認」の手続きを忘れないでくださいね。)
公正証書遺言も自筆の遺言書もないことが判明したら、相続人間で「誰が、何を、どれだけもらうか」を話し合っていくことになります。
いかがでしょうか?
へえ~、と思っていただけたでしょうか。
今はまだ相続のことなんて関係ない、と思っておられる方も、
「公正証書遺言の有無を検索することができる」
ということだけでも、アタマの片隅に置いておいてくださいね。
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