法律用語をわかりやすく。①強行規定(強行法規)

こんにちは。司法書士の片岡和子です。

暖かくなったと思ったら寒い日が戻ったり。

体調に気をつけなくちゃ、の日々ですねえ。

写真はムスカリです。

葉っぱが伸びてきて、真ん中に花芽が見えてます。

開花が楽しみ♪

さて。

今日は「法律用語解説」をやってみようかと。

第一弾は「強行規定・強行法規」。

(第二弾以降があるかどうかは未定だけど笑)

最初からやたらとムズカシイものを持ち出して・・・と思わないでくださいませ。

実はとても身近に存在する問題なのです。

まずは手元の法律用語辞典で「強行規定」を引いてみると「→強行法規」と書いてあります。

そこで「強行法規」を引いてみると・・・

「法令の規定のうち、当事者の意思いかんにかかわらず適用されるもので、強行規定ともいう。(以下省略)」とあります。

で、「身近に存在する問題」というのは「部屋を借りていて、大家さんから更新を断られてしまった!」という場面のこと。

「契約期間は2年」と契約書に書いてあって、それは理解していたけれど、希望すれば当然更新になると思ってたのに。

大家さんは「『賃貸人が契約を更新しない旨の通知を6か月前までに行った場合は、契約は更新せずに終了する』と契約書に書いてありますよ。いきなり言われても困るだろうから『6か前までに』と決めてあげてるのです。私は契約を守りました。あなたも守ってくださいね、契約なんだから」と言います。

さあ、どうしましょ。

そういう契約をしてしまったのだから仕方がないのでしょうか?

契約書をきちんと読んで理解していなかった自分が悪いのでしょうか?

実は、こんな場合に登場するのが「強行規定」なのです。

借地借家法第30条にはこんなことが書いてあります。

「この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは無効とする。」

あ、これだけではわかりませんよね。

「この節」というのは借地借家法第26条~29条のこと。

借地借家法26・27・28・29条に書いてあることは強行規定だから、これと異なる特約をしても無効! と宣言しているのです。

(正確には「賃借人に不利な特約」だけが無効になる、と言ってます。借りる側を守る条文だ、ってこと。)

そこで第28条を見てみると「更新拒絶の通知をする際には『正当事由』が必要である」といったことが書いてあります。

つながりましたね。

(ん? つながりませんか? 難しいかな?)

大家さんは「正当事由」を示さずに、単純に「更新しない」と言っています。

そして、契約なのだから、つまり「当事者の合意、意思」なのだから、それでOKのはず、と言っているのです。

それに対しては「『更新拒絶には正当事由が必要である』と借地借家法第28条に書いてある。この規定は強行規定であり、当事者の意思いかんにかかわらず適用される。だから、賃貸借契約の『6か月前までに通知するだけで契約を終わらせることができる』という部分は無効である。つまり契約は終了しない。」と反論すればよい、ってことになります。

(ついでに言えば、この「正当事由」をクリアするのはなかなか大変なのです。そう簡単に更新拒絶はできない、ってこと。)

いかかでしょう?

「強行規定・強行法規」がどんなものか、少しだけでもイメージできましたでしょうか。

実は、ここで例として挙げた「借地借家法」は比較的新しい法律で、しかも「借りる側を守る」という性格がハッキリしているので、わかりやすいのです。

「この条文は強行法規である」といったことが明示されていますので。

民法などでは、その条文が強行法規であるのか、そうではないのか、きちんと示されているワケではないのです。

それぞれの条文の趣旨などから、個別に具体的に判断することになるのです。

だから実は難しい、やっぱり難しい、ってこと。

(わかりやすく、と言っておきながらスミマセン・・・。)

でも、「法令の規定に反する契約をしてもOKなこともあれば、無効になってしまうこともある」ということを知っておけば、何かの役に立つことがあるかも、なのです。

ところで。

自分が「大家さん」の側だったら、「自由に契約を終わらせられない」は大問題ですよね。

転勤の間だけ自宅を貸したいけど、解約がそんなに難しいなら、やめておいたほうがいいのかな、みたいに。

そんな時には「定期建物賃貸借」という形の契約が存在します。

不動産業界では「定期借家」と呼ばれています。

ご興味のある方は借地借家法第38条をご覧くださいませ。

最後はちょっと脱線してしまいましたが、「強行規定(強行法規)」について、少しだけでも理解していただけましたら幸いです。

 

 

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