大家さん、契約は自由だけど解約は不自由です。

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こんにちは。世田谷区の司法書士です。

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今日は、マンションやアパートを貸しておられる大家さん向けの内容です。

今日のタイトルにもあるように、

「契約は自由だけど解約は不自由」

この言葉を、呪文のように覚えておいていただきたいのです。

物件を貸すとき、借り手を審査しますよね。

この際、「相手を選ぶ」ことは自由です。

何か引っかかるものがあれば、契約しない、という選択があります。

業者に仲介を頼んでいて、申し込みがあったとしても、申し込みに応じなければならない義務はありません。

ちょっとだけムズカシイ言葉を使いますが、「契約自由の原則」というものがあります。

「私人の契約による法律関係については私人自らの自由な意思に任されるべきであって、国家は一般的にこれに干渉すべきではない。」という原則です。

賃貸借契約については、契約締結の自由・相手方選択の自由という形でこの原則が当てはまります。

気に入らない相手とは契約しなければよい、というわけです。

ひとことでいうと、入居者を選んでよい、ということです。

審査して気に入らなければ断ればよいのです。

ところが、いったん契約してしまうと事態は一変します。

大家さん側の事情で出て行ってもらうことは難しいのです。

非常に、非常に難しいのです。

借地借家法28条という、とても重要な条文があります。

「建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、・・・(中略)・・・正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」

というものです。

何を言っているかというと

「更新拒絶と解約は、正当な事由がなければ認められない。」

ということなのです。

そして、この「正当な事由」があるかどうかの判断がとても厳しいのです。

ですから、たとえば、

「今貸してるあの部屋、息子が転勤で戻ってきて住みたいと言ってるから、次回の更新はしないで出て行ってもらおう。」

なんてことは、そう簡単にはできないのです。

さて、ここまで読まれて、頭のいい大家さんなら、こう考えられたかもしれません。

「契約自由の原則っていうのがあるんでしょ?

だったら、契約書に『こっちの都合で解約できる』って書いておけばいいんだよね?

そういう契約をするのも自由なんでしょ?」

ところが、これはダメなんです。

借地借家法28条は、「契約自由の原則」を制限する強力な規定なんです。

「契約自由の原則」は、対等な者同士が契約をする場合にはよいのですが、力に差のある当事者間では、制限の必要があると考えられています。

そして、大家さんと借り手の関係については、対等ではなく、借り手の側が弱いので保護しなければならない、と考えられているのです。

大家さんからすれば、いったん貸してしまうと自分の所有物なのに自由にならない、ということは、どうにも納得いかないかもしれませんが、現実には、そのような扱いになっているのです。

大家さん、

「契約は自由だけど解約は不自由」

ということ、ぜひ覚えておいてくださいね。

 

【2020年10月17日追記】

現在、私は賃貸借関連を含む訴訟関係のご相談はお受けしていないです。

このブログの訴訟・裁判カテゴリーの過去記事は残してありますので、参考になさってくださいね。

 

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2014年6月5日 | カテゴリー : 訴訟・裁判 | 投稿者 : Kazuko Kataoka