成年後見人のおしごと ~裁判所への報告~

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

 

今日は、ご家族の成年後見人になっておられる方に読んでいただきたい内容です。

裁判所から成年後見人に選任されると、ご本人の通帳を預かって入出金を確認したり、ご本人のかわりに介護サービスの契約をしたり、といった後見事務が始まります。

そうして何か月かが経過すると慣れてきて、軌道に乗った感覚になるのではないかと思います。

あるいは、後見人に選任される以前から実質上ご本人のかわりに、いろいろと事務をなさっていた場合には、後見人に就任したからといって特に目新しい変化があるわけでもない、という状況かもしれません。

けれど、成年後見制度を利用していなかった時とは決定的に違うことがあるのです。

それは、

「後見人は家庭裁判所の監督下にある」

ということです。

 

ここから先は、東京家庭裁判所での取り扱いであることをご理解の上、お読みくださいね。

(各裁判所によって、細かいことは異なるかもしれませんが、基本的な考え方は同様であると考えていただいて大丈夫です。)

 

後見人は、ご本人の状態や、預かっている財産の状況を、定期的に家庭裁判所へ報告しなければなりません。

東京家庭裁判所では、1年に1回が原則です。

大変だなあ、と思われるかもしれませんが、成年後見人は、家庭裁判所から選任された、いわば公的な存在なので、ここはきちんとやらなければなりません。

提出するのは、報告書、財産目録、収支状況報告書など。

でも、報告書なんて、一体どうやって作成したらいいのやら・・・

と思われるかもしれませんが、定型の書式に必要事項を書き込んで埋めていくだけなので、やってみれば、それほど難しいわけではありません。

財産目録や収支状況報告書については、正確な数字を記載する必要がありますから、日頃から金銭の出入りをきちんと管理しておくことが大切です。

提出時期が近くなってから慌てて領収書の山と格闘する、なんてハメにならないよう、こまめな記帳を心掛けてくださいね。

報告書などの書式は東京家庭裁判所の「後見サイト」からダウンロードできます。

ところで、報告の際には、通帳のコピーを添付しなければなりません。

通帳の残高がチェックされるのです。

ですから、ゴマカシはききません。

親のお金なんだから、ちょっと借りてもいいよね・・・は絶対にダメです。

ずいぶん厳しいんだなあ、と思われるかもしれませんが、ちょっと逆からも考えてみてくださいね。

裁判所の監督下にあって、きちんと定期的に報告をしている、ということは、自分の身を守ることにもなるのです。

たとえば、他の親族からの

「財産を好きなように使っているんじゃないか」

という疑いの目に対して、

「きちんとやってます。裁判所にも報告してチェックしてもらってます。」

と言える、ということなのです。

親族後見人の方は、実際の介護にも関わっておられる方も多く、いろいろとご苦労も多いことと思いますが、成年後見人としてのお仕事も、ぜひ頑張ってくださいね!

 

【平成30年5月23日追記】

家庭裁判所への報告の具体的な方法は、各家庭裁判所によって異なるだけでなく、同じ家庭裁判所でも変わることがあります。

報告書の書式等も随時改定されています。

報告の際には家庭裁判所のホームページ等で最新の情報を入手するようにしてください。

 

【2019年8月28日追記】

親族後見人の方々に是非知っておいていただきたいことがあり、追記をします。

現在、東京家庭裁判所では、本庁でも立川支部でも、報告の遅延や報告内容の不備に対して大変厳しいです。

おそらく他の家庭裁判所でも同様なのではないかと思います。

東京家庭裁判所では、遅延や不備があると「調査人」を選任して調査を行うことがあります。

実は、私も調査人として調査を担当することがあります。

報告遅滞の場合には、調査人から後見人へ連絡をし、報告が遅れている理由を尋ねます。

やむを得ない事情がある場合には時間の猶予を差し上げることもありますが、最終的には必ず報告書を提出していただきます。

報告内容に不備や疑義がある場合には精査をします。

報告書や通帳のコピーを徹底的に調べます。

現金出納帳や領収書の追加提出を求めることもあります。

そして、事務所へおいでいただき、聞き取り調査を行います。

(場合によっては、微に入り細に入り、という感じで、まさに「事情聴取」のようになります。)

その際には、通帳などの原本を持参いただいて確認をします。

(提出された通帳コピー等が「偽造」でないかを確認するためです。)

調査結果は報告書にまとめて家庭裁判所へ提出します。

横領があったと認められれば後見人を解任されるでしょう。

不正とまでは言えなくても、財産管理が不適切であるという評価を受ければ監督人がつけられることもあります。

・・・こんな感じで、なかなか大変なことになるのです。

結果的に「問題なし」とされたとしても、調査の過程で不快な思いをすることに変わりはありません。

親族後見人の皆さま、家庭裁判所への定期報告は、くれぐれも期限を守ってくださいませ。

そして、丁寧な報告書の作成を心がけてくださいませ。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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2014年5月21日 | カテゴリー : 成年後見 | 投稿者 : Kazuko Kataoka