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今日は、親族後見人の方向けのお話です。
成年後見人に就任したら「財産管理」を始めなければなりません。
財産の中でも、大抵の方が持っておられるのが「預金」です。
これを預かって、適正に管理していかなければなりません。
まずは、通帳やキャッシュカードの保管者から引き渡しを受けます。
その後、金融機関へ後見開始の届出をする必要があります。
親族後見人の方の中には、後見人に就任する以前から通帳やキャッシュカードを預かり、本人にかわって預金の出し入れをしたり、定期的に記帳をして年金の振り込みを確認したりしていた方もおられるでしょう。
そんな場合でも、事実上の管理を続けるだけではダメです。
やはり、金融機関への届出をしなければなりません。
この届出ですが、金融機関によって取り扱いが異なることがあるので、あらかじめ電話等で問い合わせておいたほうがよいです。
口座のある支店へ出向く必要があるのか、どんな書類が必要なのか、など。
一般的には
成年後見の登記事項証明書
成年後見人の実印・印鑑証明書・運転免許証
新しく銀行へ届け出る印鑑
などが必要になります。
イキナリ窓口へ行っても、後見の届出に詳しい人が不在だったりすると、とても待たされてしまいますし、必要なモノがそろっていないと、出直すことになってしまいます。
スムーズに手続きが進んだとしても、けっこう時間がかかります。
1時間近くかかるつもりで出向いたほうがよいかもしれません。
さて、この届出を済ませると、その預金は、成年後見人しか引き出せないことになります。
成年被後見人ご本人にも引き出すことができなくなります。
成年後見人はこの預金口座の通帳・印鑑などを厳重に保管していくことになります。
定期的に記帳し、振り込みや引き落としを確認し、必要な場合は、成年後見人が引き出しをすることになります。
この、成年後見人による預金の引き出しは、以前は、口座のある支店でしかできなかったり、キャッシュカードは発行してくれない、などということもあったようです。
でも、今では多くの金融機関で、どこの支店でも引き出せるようになり、キャッシュカードも発行してくれるようになっているようです。
便利になった、といえるのですが、逆に、感覚が甘くなる危険性もあります。
親族であっても、被後見人は他人です。
親であっても、兄弟であっても、です。
まあいいだろう、と思ってちょっと借りたり、なんていうことをすると、「業務上横領罪」で実際に処罰されることもあるんですよ。
「他人の財産を預かっているのだ」ということを決して忘れないでくださいね。
【2019年9月6日追記】
この記事を書いてから5年ちょっとが経ちました。
当時は成年後見制度に不慣れな金融機関も多かったのですが、今では殆どの金融機関でマニュアルが確立されている、という気がします。
窓口での対応もスムーズになってきている印象です。
預金の管理の「入り口」で苦労することは少なくなったと思います。
問題は、預金の管理がスタートしてから。
本文にも書きましたが、「他人の財産を預かっているのだ」ということを決して忘れないでください。
不適切な財産管理は重大な結果を招いてしまうこともあるのです。
そのあたりは「成年後見人のおしごと ~裁判所への報告~」という記事で解説しています。
ぜひ参考になさってください。 → こちら
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