こんにちは。世田谷区等々力の司法書士です。
東急大井町線の尾山台駅と九品仏駅の中間地点あたり、等々力通り沿いの奥沢7丁目信号近くのマンションの一室で開業してます。
さて、先日研修で、精神科医の春日武彦先生の講義を聴く機会がありました。
以前の記事でご紹介した、私の愛読書の著者でいらっしゃいます。
講義の内容は、統合失調症・認知症・パーソナリティー障害などについての基礎知識と、精神に問題を抱えた方へのかかわり方や心構え。
前半は穏やかで控えめな語り口で始まりましたが、後半になると「実践的知恵」が満載で、「ちょっと毒入りのカスガ先生」全開で、大満足の講義でした。
圧倒的な量と質の経験がおありの精神科医でいらっしゃるのだ、ということが、改めて、本当によくわかりました。
特に、パーソナリティー障害についてのお話が、私にとっては有意義でした。
クレーマーやモンスター・ペイシェント、ストーカーといった人たちはパーソナリティー障害として理解するとよいこと。
狭い意味での病気とはいえないこと。
投薬や入院、カウンセリングなどでよくなることは期待できないこと。
基本的には健常者であると考えるべきこと。
こういった人たちについては、精神科医につなげばなんとかなる、とはいえないこと。
精神科医でも、もてあますことが多く、決定的に有効な対応法はないのだということ。
こんなお話が続くと、研修会場のあちこちから、ため息のようなものが・・・。
いろいろと苦労されている方が多いんだなあ、と感じました。
でも、春日先生らしいな、と思ったのは、
「確かにこれだ、という対応法はなくて精神科医でも苦労するのだけれど、精神科医でも対応が難しい相手なんだ、と知っておいていただくことが大切なんです。
何とかなるケースだと思ってやみくもに頑張るのと、精神科医でも難しいケースなんだと知っていて対応するのとでは、皆さん自身の精神状態が全然違ってくると思いますよ。」
という趣旨のお話です。
これは身に沁みました。
私も、いわゆる「ムズカシイ相談者」に遭遇した際に、うまい対応ができなくて落ち込んでしまうことが多いのですが、そもそも、経験を積んだ精神科医でも、うまく対応できないケースがあるのだ、みんな苦労してるんだ、と思うと、ちょっと元気が出てきます。
そして、何とか相手の役に立ちたい、という思い入れは時に危険であること、自分が関わった以上、何かしらのよい結果を出さなければ、と思うことは、こちら側の思い上がりの場合もある、ということなど、改めていろいろと考えさせられました。
今回は、成年後見に関わる司法書士向けの研修だったのですが、法律専門職のところには、精神に問題を抱えた方が相談にこられることも多く、法律職全般にとって、この分野の勉強は必要だなあ、と感じました。
☆こちらの記事も読んでみてね☆
★【認知症】「妄想」は、本人にとっては「論理的帰結」なのかも。