こんにちは。世田谷区の司法書士です。
東急大井町線の尾山台駅と九品仏駅の中間地点あたりで開業してます。
今日は、私のヘルパーをやっていた頃からの愛読書をご紹介します。
精神科医の春日武彦先生の「援助者必携 はじめての精神科」です。
認知症の高齢者や、その高齢者を取り巻くご家族の、理解の困難な、理不尽とも思える言動に悩まされることの多かったヘルパー時代に、大変な助けになった本です。
医学の理論書ではありません。
現場で困った時の、考え方のヒントをくれる本です。
「援助者へのアドバイス集」という感じです。
具体的な精神科的問題としては、
統合失調症、うつ病、認知症、パーソナリティー障害、
アルコール依存症、ストレス・不安・怒り
について、それぞれ理解の仕方、対応のアドバイスなどが書かれています。
私は、認知症の方、うつ病が疑われる方への対応に苦慮したことがきっかけで、この本を手に取ることになったのですが、その後、司法書士として相談業務や成年後見の仕事をする中でも、この本からヒントをもらうことが多々ありました。
本の帯には
「医師、看護師、保健師、ケアマネジャー、ヘルパー必携」
と書いてあるのですが、私は、ここに司法書士も入れてもいいんじゃないか、なんて思います。
成年後見や相談業務では、自分が「法律職」であると同時に、「対人援助職」でもあるのだと感じることが多いです。
この本の帯には
「『困る前』と『困った後』の二度効きます。」
ともあるのですが、これも、そのとおりです。
私は認知症の方などの対応に迫られて、この本を手にしたのですが、統合失調症やパーソナリティー障害などについても読んでおいたことで、その後、司法書士として相談を受ける際に役に立つことがいろいろとありました。
問題を抱える方々に対応する際の、援助職としての一般的な心構えについてもたくさん書かれています。
自分の関わっているケース、相談を受けた案件について行き詰まりを感じた時に、この本をぱらぱらとめくっていると、何かしらヒントがもらえます。
他者を理解するために知っておくとよいこと、自分がキツくならないための考え方、など。
今の私に響く言葉を、いくつか引用してみます。
「人は論理的に考え詰めた挙句に間違える」
「物事の優先順位が、常識や良識から逸脱するとき。これが精神を病むことの意味だと思っている。」
「一般的に援助事例には、不幸な結末を招かないように早めに手を打つべき場合と、多少なりとも実際に不幸が訪れないと手出しができない場合の2つがある。」
「責任感と義侠心とを混同するのは医療関係者が陥りがちなナルチシズムの罠である。」
今は、こんな言葉が私の助けになっているのですが、この先、また違うケースに遭遇すると、また違う言葉が効くことになるんだろうな、と思ってます。
今日は夕方から、司法書士総合相談センターの担当です。
どんな方々とお会いすることになりますか・・・。
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