勝手に深読み・民法975条【共同遺言の禁止】

こんにちは。司法書士の片岡和子です。

今日はパンジーの苗の植え付けをしてから出勤してきました。

花が特大でシックな色合いのパンジーをハンギング鉢に一株だけ。

丁寧に大株に育てます♪

 

さて、今日の話題は民法975条。

この条文をあれこれと、自由に、勝手気ままに読んでみようかな、と。

民法条文エッセイ、みたいに。

私は現場の一実務家で、いちおう法律職です。

でも学者ではないので、素人みたいにゆる~い読み方をしても許されるかなあ、と。

さっそく条文を。

 

民法第975条 

遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。

 

いかがでしょう。

え、そうなの? ・・・と思われましたか?

何をそんなアタリマエなことを ・・・と思われましたか?

これ、結構その人の価値観が現れると思うのです。

この条文を「アタリマエ」だと感じた方は、遺言について「個人が自由にすることであって、周囲からあれこれ言われる筋合いのものではない」というイメージを持っておられる方だと思います。

内容について外部からあれこれ指示されるなんてトンデモナイ。

だって、自分の財産なのだから。

いったん作成した遺言でも、気が変わったら撤回して新しいものを作成すればいい。

だって、人間の気持ちや考え方は変化していくものでしょ?

・・・私、このタイプです。

でも、それは現代の民法を勉強したことのある人間だから、なのかもしれないです。

実は「え、そうなの?」のタイプの方、割とたくさんいらっしゃるのでは、と思うのです。

こんな場面を考えてみてください。

高齢のAさん。

財産は自宅の土地建物と、あまり多くない預金。

家族は妻と息子と娘。

苦労して手に入れた家は自分が死んだ後も守って欲しい。

まずは妻に任せて、妻の死後は息子に継がせたい。

娘の分け前は少なくなるけれど、他家に嫁に行った人間なのだから我慢してもらいたい。

そこでAさん、

「全ての財産を妻に相続させる、妻の死後は不動産を息子に、預金を娘に相続させる」

という遺言を作成。

知り合いの司法書士にその話をしたところ、「それはダメですよ」と言われてしまった。

「相続した以上、財産は奥さんのものになるのです。その財産についてAさんがあらかじめ決めておくことはできないのですよ。」と。

そこでAさん、妻のBさんと連名で遺言をすることを思いつきます。

どちらが先に死んでも最終的には家が息子のものになるような文面を考えて、そこへ夫婦が署名押印すればいいじゃないか、と。

ところが、「Aさん、それは共同遺言といって、民法で禁止されているのですよ。」と言われてしまいます。

Aさん、怒ってしまいました。

「なんでだ! オレが苦労して建てた家だぞ! 自分が死んでも妻に住ませてやると言ってるんだ! その後のことだってオレが決めて当然だ!」

・・・あ~あ、ホンネが出ましたねえ。

でも、Aさんの考え方は間違ってる、オカシイ! とも言えませんよね。

実際、日本には以前は「家」の制度があって、「長男が家を継ぐのがアタリマエ」という価値観が広く浸透していたのですから。

それを引きずっているからといって非難される筋合いのものでもないでしょう。

ただ、法律は法律です。

現代の民法ではAさんの希望は叶えられないのです。

というか、Aさんのような希望を封じるために民法975条が存在する、とも言えるのです。

さて。

ここで私はAさんを「高齢の方」として例に出しました。

でも、古い価値観を引きずっている高齢者でなくても、同様の考え方をする方はいらっしゃるのではないかと思います。

そういう方々に今人気なのが「信託」のようです。

実は、信託法の世界では、民法ではNGなことが可能になる場合があって、そこにとても注目が集まるようです。

特定の財産を自分の財産から切り離して信託すれば、「窮屈な相続の枠組み」から外せるかも、というイメージです。

あ、私は信託の専門家ではないです。

信託をお勧めしているワケでもないです。

そういうモノがあるらしい、という程度。

なので、ご興味のある方はご自分で勉強してみてくださいませ。

・・・ちょっと話がとっ散らかってきましたので今日はこの辺で。

 

 

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2020年11月13日 | カテゴリー : 相続・遺言 | 投稿者 : Kazuko Kataoka