続行期日における陳述の擬制 ~簡易裁判所のお話~

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

今日は午前中から外出で、いくつか用事を済ませた後、午後、尾山台に戻ってきました。

駅を出て、事務所に戻る前にちょっとドラッグストアに寄って、私用の買い物。

(自由業なので、こういう柔軟な行動もOK。)

店頭の安売り目玉商品のコーナーは、いつもは衣類の洗剤や柔軟剤が多いのだけど、今日は、住居用洗剤一色。

トイレ○○○や、キッチン□□□など。

大掃除の時期なのですねえ・・・。

 

昨日「陳述擬制」のお話をしました。

→「チンジュツギセイ」とは? はこちら

最初の口頭弁論では、原告か被告のどちらかが欠席しても、欠席者が提出した書面を「陳述した」ということにして訴訟を進めることができる、ということ。

通常は「原告が欠席」ということはありません。

「訴訟を起こした側」なのですから。

最初の口頭弁論期日をいつにするかは、原告(または原告の代理人)の都合を聞いて決められるのが普通。

被告の都合は聞かれず、「イキナリ」な感じで「呼出状」が届くので、最初の口頭弁論に出席できなくても仕方のない面もあるのです。

なので、とりあえず「答弁書」を出しておけばOK、といった具合になっているのです。

2回目以降の口頭弁論は、双方が出席して進めてゆくことになります。

欠席すれば、いくら準備書面を提出してあっても、「弁論」したことにはなりません。

・・・ここまでは、民事訴訟法の「原則」です。

ところが、「特則」があるのですねえ。

「簡易裁判所の訴訟手続に関する特則」です。

民事訴訟法の270条以下に規定があります。

その最初の条文に、笑ってしまうほどシンプルなことが書いてあります。

 

第270条(手続の特色)

簡易裁判所においては、簡易な手続により迅速に紛争を解決するものとする。

 

いやいや、ホントにシンプルですねえ。

で、271条以降に具体的な内容が書かれています。

口頭による訴えの提起、とか準備書面の省略等、とか。

そして陳述擬制についても特則が設けられています。

277条です。条文におつきあいください。

 

第277条(続行期日における陳述の擬制)

第158条(訴状等の陳述の擬制)の規定は、原告または被告が口頭弁論の続行の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしない場合について準用する。

 

どういうことかというと、簡易裁判所では、2回目以降の期日でも「陳述擬制」で訴訟が進んでいくこともある、ということ。

もっとわかりやすく言ってしまうと、準備書面を提出しておけば欠席してもOK、ということ。

双方が欠席してしまうと、訴訟は進まなくなってしまいますから、実際には、原告側は出席します。

被告側は、反論の書面を提出しておいて欠席するもよし、話し合いがしたければ出席するもよし、といった感じになります。

 

今日のお話、ちょっとだけ難しかったでしょうか?

簡易裁判所での民事裁判は普通の民事裁判とは違うところがある、

いろいろと「簡易」になっている、

ということを、何となくでも感じていただければ幸いです。

 

 

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