こんにちは。司法書士の片岡和子です。
寒いですねえ。
今日の東京は寒くて曇天。
写真は九品仏浄真寺の境内です。
黄色い葉っぱは全て落ち切って、
紅い葉っぱもほとんど落ちて、
でも、濃い紅の葉っぱがいくらか残ってます。
これもまたよい風情です。
さて、今日は民事訴訟のお話です。
民事訴訟の基本原則に「口頭主義」というものがあります。
簡単に言えば
「民事訴訟の重要部分は口頭で行う」
ということ。
単なる事務連絡のようなものは書面でOKだとしても、訴訟のメインである弁論や証拠調べなどは書面で済ますわけにはいかず、口頭でしなければならない、とされています。
「口頭弁論」という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。
まさに、「口頭で弁論する」のが、民事訴訟なのです。
一方、民事訴訟法にはこんな規定もあります。
民事訴訟法第161条(準備書面)
①口頭弁論は、書面で準備しなければならない。
②・・・
③・・・
口頭主義だと言いながら、書面を用意しろ、とも言っているのですね。
矛盾しているようにも思えますけど、仕方ないのかな、といったところです。
口頭弁論の当日に双方が言いたいことを口頭で延々と述べたら、訴訟の現場は大混乱ですものね。
で、民事訴訟の現場はどうなっているかというと、書面を提出した上で、口頭で
「書面の内容を陳述します。」
と言うのです。
実際には
「陳述ですね。」
「はい。」
で済んでしまうことも。
これで口頭主義と言えるんかな?
というぐらいあっさりしたものです。
しかも「陳述擬制」というものがあるのです。
チンジュツギセイ、って難しげな言葉だけれど、読んで字のごとしで、
「陳述を擬制する」
ということ、つまり、
「陳述したことにしてしまえ!」
ということなのです。
口頭弁論に当事者のどちらかが欠席した場合、欠席した側が書面を提出していれば、
「陳述したことにして先へ進めてしまおう!」
ということなのです。
「陳述ですね。」「はい。」さえ省略してしまおう、というワケ。
ただし、これを無制限に認めてしまうと「口頭主義」という基本原則が骨ヌキになってしまいますから、陳述擬制は「最初の口頭弁論」だけで認められています。
ところが・・・
「簡易裁判所の訴訟手続に関する特則」というものがあって、・・・
・・・長くなってきましたので、続きはまた改めて。
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