債務名義としての公正証書には執行認諾約款が必要

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

東急大井町線の尾山台と九品仏の中間地点あたりで開業してます。

 

今日も東京はよいお天気です。

自宅から事務所まで歩いてくる途中に、お花がたくさんあるお宅があって、ここ数日で、バラの花がどんどん開花してます。

5月だなあ~、と実感します。

 

さて、昨日は「債務名義」のことをお話ししました。

→「訴訟は、債務名義を取得するための方法のうちの一つである。」はこちら

債務名義とは、

「それがあれば強制執行ができる」という時の「それ」のことなのだというお話でした。

そして、「判決」は、いろいろとある「債務名義」のうちの一つである、ということもご説明しました。

この債務名義について、他にどんなものがあるかは民事執行法の第22条に書かれています。

そのうちの、第5項を読んでみましょう。

ちょっとガマンして、おつきあい下さい。

「金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの」

と書いてあります。

細かいところはわからなくても、「公正証書」という言葉は耳にされたことがあるのでは。

ざっくりと言ってしまうと、民事執行法22条5項には

「公正証書は債務名義になる」

ということが書いてあるのです。

ただし、

「債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの」

である必要があります。

知り合いにお金を貸す場合を考えてみましょう。

お金を貸す契約の内容を公正証書にしておき、

「もしもきちんと返さなかった場合には強制執行されても文句は言いません」

ということを盛り込んでおけば、お金を返してもらえなかった場合に、訴訟をしなくても、すぐに強制執行ができる、ということなのです。

「お金を貸すなら、公正証書にしておいた方がいいよ。執行認諾約款を必ず入れてね。」

ということがよく言われるのですが、こういう意味があるのです。

ただ公正証書にするだけでは「債務名義」にはならないのです。

強制執行を認諾する旨が盛り込まれて初めて「債務名義」となれるのです。

話は飛びますが、離婚に関して

「養育費とか、ちゃんと公正証書にしておいたほうがいい。」

といった情報をネット上で見つけて、

「そうだ、そうしよう!」

と思い立つ方は多いようですが、この執行認諾約款を入れるのを忘れないようにしなくてはいけません。

執行認諾約款を入れておけば、養育費の支払いが滞った場合に、給料の差押えなどの強制執行が可能になります。

ぜひ、覚えておいてください。

 

 

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