こんにちは。司法書士の片岡和子です。
ブルーのパンジー、キレイでしょ♡
もう春も終わるけど、最後の輝きを放ってます。
さて、今日は「破産」のお話です。
「破産」という言葉はいろいろな使われ方をしますが、法律上の「破産」については、
「支払い不能に陥った者が法律に則ってすべての債権債務を清算する手続き」
という理解をしておけばよいでしょう。
個人の場合で言えば、借金を重ねてどうしても返せない状態になってしまった場合に、最低限のものを残した自分の財産を全て清算にあてて債権者に分配して決着をつける、というイメージです。
さらに「免責許可決定」を受ければ、返しきれなかった部分も免責となる、つまり「返さなくてもよくなる」のです。
チャラになるのです。
自分の手持ちの財産のほぼ全てを吐き出さなければなりませんが、これを乗り越えれば再スタートが可能になる、ということなのです。
自らこの方法を選んで、破産の申立てをして清算をする場合のことを「自己破産」と言います。
よく聞く言葉ですよね。
お金を貸した側からすると「全額の回収はできなかったけれど諦めるしかない。」ということになります。
「お金を貸す」ということは「返してもらえないリスクを負う」ということですから、これは受け入れる他はありません。
債権者相互の公平は「同順位の債権に対する配当は債権額の割合に応じて行う」という方法で実現されます。
200万円貸していた人は、100万円貸していた人の倍の配当を受ける、ということですね。
このように、破産に関する法制度の基礎には「公平・平等」の考え方があるのです。
では、このような場合を考えてみて下さい。
【Aは多額の借金のストレスから多量の飲酒をしたあげく車を盗んで運転をし、交通事故を起こしてBに怪我を負わせた。借金に加えてBの入院費や慰謝料も払わなければならなくなり困り果てたAは自己破産の申立てをした。】
このAが「免責許可決定」を得ることができたとして、全てをチャラにしてよいかどうか? という問題です。
借金は免責でもいいけど、Bへの損害賠償(入院費や慰謝料)まで逃れることができる、とするのは違和感がありますよね。
自己破産したとしても、Bへの責任は果たすべきでしょ、と考える方が多いと思います。
その感覚は、法律にも反映されています。
「破産法」という法律に、免責されない債権についての定めが設けられているのです。
これを「非免責債権」といいます。
非免責債権に該当するものについては、自己破産をしても逃れることはできないのです。
いかがでしょう。
なるほどねえ、と思っていただけましたでしょうか。
具体的にどのような債権が非免責債権に該当するのかについては、いろいろと難しい問題もあります。
「自分の債権は非免責債権なのだろうか?」という疑問については、破産問題に詳しい弁護士さんへの相談をお勧めします。
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