後見人選任の審判に即時抗告はできない

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今日はタイトルに「即時抗告」なんていうムズカシイ言葉を使ってしまいましたが、ここでは、

「裁判所が決めたことについて、上級の裁判所に不服を言って、もういちど審理してもらうこと」

と考えておいてください。

それから、タイトルの正確な内容は

「後見開始の審判に対しては即時抗告ができるが、後見人選任の審判に対しては即時抗告ができない」

です。

長いので、後半部分だけをタイトルにしました。

 

これから、事案に沿ってご説明しましょう。

 

[事案1]

Aには長男Bと次男Cがいる。

長男Bは、Aの判断能力が落ちて自分で通帳の管理などができないため、自分が後見人になってAのかわりに財産管理をしようと考え、Aについて後見開始の審判を申立てたところ、家庭裁判所は後見開始の審判をした。

次男Cは、Aの判断能力はまだ十分で自分で通帳の管理などはできると考えていたので、そもそもBが成年後見の申立てをすることには反対していたし、家庭裁判所が後見開始の審判をしたことにも驚いた。

 

このような場合、Cは即時抗告ができます。

「家庭裁判所の判断は間違っていると思うので、高等裁判所でもういちど審理してほしい」

というわけですね。

 

次に、別の事案を見てみましょう。

 

[事案2]

Aには長男Bと次男Cがいる。

Aは認知症で、自分で通帳の管理などができない。

そこで長男Bは自分が後見人になるつもりでAの成年後見申立てをした。

家庭裁判所が次男Cに意向を照会したところ、Cは、BがAの後見人になってAの財産を管理することに反対した。

そこで家庭裁判所は中立な第三者である司法書士Dを後見人に選任した。

 

この場合、Bは、裁判所の決定に不満ですよね。

でも、Bは、Dが後見人に選任されたことに対して即時抗告をすることができません。

 

事案1と事案2の違いは、どこにあるのかというと、

事案1は「後見開始の審判そのものに不服がある場合」

事案2は「後見開始の審判には不服がないが、後見人の人選に不服がある場合」

だということです。

事案1では、即時抗告が認められ、事案2では即時抗告は認められません。

 

なぜ、このようになっているかというと、形式的には

「法律でそのように決められているから」

なのですが、実質的には

「後見人の人選は家庭裁判所が責任を持って行うので任せてくれ。」

ということなのでしょう。

すると、いったん後見人が決まってしまったら、どんな不都合があっても変えることができないのかというと、そういうわけではありません。

もしも選任された後見人の財産管理がずさんだったりして不適格な場合には、後見人の解任を裁判所に請求することができるようになってます。

 

今日は、成年後見の場面での即時抗告のお話をしましたが、即時抗告には期間の制限や、申立てできる人の定めなどがありますので、実際に行うことを検討される場合には、速やかに専門家に相談されることをお勧めします。

 

 

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2014年9月10日 | カテゴリー : 成年後見 | 投稿者 : Kazuko Kataoka