こんにちは。司法書士の片岡和子です。
3月です。
マーガレットが咲きました。
目に沁みるようなレモンイエローが大好きです♪
今日は前回に引き続き読書日記です。
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相談しがいのある人になる
1時間で相手を勇気づける方法
下園壮太
講談社 こころライブラリー
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私は仕事で「相談を受ける」という立場になることが多いです。
自分の事務所での相談もありますし、司法書士会の相談センターの相談員として相談を受けることも。
何かしらの助言を差し上げて、多少なりとも「役に立った」と思えることが多いです。
でも時々、何故かうまくいかなかった・・・ということがあります。
自分の法律知識をフル動員して一生懸命アドバイスをするのですが、相談者はなぜか「でも・・・」、「それはそうかもしれませんが・・・」と言い訳ばかり。
何を言っても、「そうしなかった理由」や「できない事情」が返ってくる。
だんだんこちらも疲れてきて、
「そんなふうに愚痴って言い訳ばかりしてるから問題が解決しないんじゃないの?」
という気分になってしまいます。
それが、この本を読んで腑に落ちました。
ちょっと長くなりますが引用します。
『悩みの深い相談者は、不安が強くエネルギーが少ないため、「がんばれ」系メッセージや中間メッセージを裏メッセージに取ってしまいます。
すると、あなたのやっていることが、相手を勇気づけるのではなく、相手を攻撃する、つまり殻に閉じ込めてしまうことになってしまうのです。
そんなときは、味方になる段階に戻らなければなりません。ただ、どうしたらあなたがそのことに気がつけるでしょうか。
そのポイントは、相談者の「言い訳」的な発言です。』
ああ、そういうことかあ・・・。
一生懸命アドバイスしていたつもりが、
「なぜそうしなっかたのですか!」
「これからはもっと努力すべきです!」
というふうに受け取られてしまっていたのですね。
相談者は「責められた」と感じたので「理由を説明した」(=言い訳)ということなのですね。
著者は、問題解決指向のアプローチ(=5分間相談)には限界がある、と言います。
普通の悩みの多くはカバーできるけれど、「悩みの深い相談者」には効果がない、というのです。
そこで筆者が提唱するのが「1時間相談法」。
「相談者の味方になる」
「自信を取り戻させる」
「解決のヒントを与える」
という三段階(およそ1時間)で相談を受けるスタイルだとのこと。
この本では、相談の受け方の具体的な方法が詳しく説明されています。
我々法律職は、「相談を受ける」とは「解決のヒントを与える」ことだけだと考えがちです。
でも、思考や感情の柔軟性が低下している「悩みの深い相談者」には、それだけではうまくいかない。
その前の「相談者の味方になる」、「自信を取り戻させる」という段階が欠落すると、いくら頑張って解決策を示しても受け入れてもらえない。
それどころか「裏メッセージ」に取られてしまうこともある・・・。
う~ん、ムズカシイです。
法律の知識だけじゃ足りない。
もっともっと勉強しなくっちゃ、です。
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