相続登記に権利証が不要なのはナゼ?

こんにちは。司法書士の片岡和子です。

写真は青森のとちの木のはちみつ。

子供たちからのプレゼントです。

どんな味なんだろう。

明日の朝食のときに開けます。楽しみ~~♪

 

今日は不動産登記のお話です。

不動産登記っていうのは、法務局でなされている、不動産についての記録のこと。

所在とか面積とか所有者とかが記録されています。

よく言われる「不動産の名義変更」というのは、不動産の所有者が変わった際に、その事実を登記記録上に載せる手続きのことです。

所有者が変わる原因はいろいろとありますが、「相続」もそのひとつです。

相続によって不動産の所有権を取得すると、法務局に申請して登記記録に記載してもらうことになります。

この手続きが「相続登記」です。

自分で申請するのはちょっと難しいため、司法書士に依頼することが多いと思います。

で、私のところにも「相続登記をお願いします」という方々がお越しになるのですが、時々、慌てた様子で「権利証が見つからないんです・・・」という方がおられます。

実は、特別な場合を除いて、相続登記の申請に権利証は不要なのです。

そうお伝えすると「そうですか、それはよかった」と安心されるのですが、同時に疑問もわいてくるようです。

権利証は大切なもの、紛失したら大変、登記手続きができなくなってしまう。

もしも盗まれてしまったら勝手に名義変更されてしまう、と聞いていたけど、不要なの? ホントに? といったところでしょう。

大事な大事な不動産の名義変更なのに、大事な大事な権利証がいらないって?

どういうことかというと、登記申請の基本が「共同申請」であることと深い関係があるのです。

売買の場合で考えてみるとわかりやすいです。

不動産の売買がなされて、名義変更をする際には、売主と買主が共同で登記申請をすることになっています。

「元の所有者」と「新しい所有者」が共同で、という形式を取ることによって虚偽の申請がなされることを防いでいるのです。

特に「元の所有者」について十分な確認が必要です。

所有権を失う側ですので。

そこで、元の所有者は実印を押印し、印鑑証明書を添付するのですが、それに加えて権利証の提出を求められるのです。

厳重に保管しているはずの権利証の提出があれば、まあ、たぶん、ほぼ、間違いないよね、という発想です。

(だからこそ、盗まれたら大変! なのです。)

では、相続の場合はどうでしょう。

「元の所有者」は亡くなってしまっていますから、新旧所有者での共同申請はできません。

そこで新しい所有者(=相続人)が単独で申請することになります。

この場合にどうやって間違いを防ぐのかというと、亡くなった方の戸籍やら遺産分割協議書やら、いろんな書類を揃えることになります。

元の所有者の相続人は誰と誰と誰で、相続人たちのうちの誰が「新しい所有者」なのか、それらの書類から判断することになります。

つまり、権利証の出番がないのです。

だから、「権利証は不要」が基本なのです。

ただし、例外的に権利証が役に立つ場合もありますので、「親父は亡くなったんだから権利証はいらないよね」と、捨ててしまわないように。

いかがでしょう?

ご納得いただけましたでしょうか。

ひとつ、付け加えておくことがあります。

「そもそも『権利証』なんてもの、見たこともない。『登記識別情報』というものならあるけど。」という場合のお話です。

昔の「権利証」は、今は「登記識別情報」に切り替わっています。

役割は同じ。考え方は同じです。

「権利証」を「登記識別情報」と読み替えてください。

以上、ナルホド、と思っていただけましたら幸いです。

 

 

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2019年2月2日 | カテゴリー : 相続・遺言 | 投稿者 : Kazuko Kataoka