親族に財産内容を開示することはあるのか ~成年後見~

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

1月も、もう後半です。早いですねえ。

私は先週末、田舎暮らしの両親のところへ行ってきました。

写真は菜園のブロッコリーです。

花を植え、野菜を育て、元気に暮らしてました。

父の車の運転も、まだ大丈夫のようです。

専門職として高齢者問題に取り組むのもいいけど、自分の両親にも会いに行かなくっちゃね、と、改めて思った週末でした。

 

さて、今日は、以前に書いた記事の続編です。

去年の11月25日に公開した

「そもそも」を考えてみよう⑥ 「後見人が通帳を見せてくれません。」

という記事です。

専門職が親の後見人になったので財産内容の開示を求めたところ拒否された、おかしいのではないか? という問題に対して、「おかしくない。」ということをご説明しました。

簡単に言えば、「子であるからといって、親の財産状況を知る権利があるわけではない。親が認知症になって専門職が後見人となった場合でも、その原則が変わるわけではない。」ということです。

では、逆はどうでしょうか。

専門職後見人の側から被後見人の親族に対して被後見人の財産内容を開示することはあるのか? という問題です。

 

ここから先は、全くの私見です。

その点をご理解の上、お読みください。

 

私の答えは「ある」です。

この点について、「あり得ない」と考える専門職の方もおられるようです。

「専門職として、被後見人の個人情報を守らねばならない」というのが主な理由のようです。

私の場合どのように考えるかというと、「本人のためには、どうするのがベストか?」という観点から考えていきます。

例えば・・・

被後見人は在宅で一人暮らしをして来たが、在宅生活は限界で、今後どうするかを考えなければならない。

有料老人ホームがよいのか、グループホームがよいのか、親族の近くがよいのか、遠方でもやむなし、と考えるのか。

こういう難しい問題に直面した時、これまで被後見人と深く関わって来た親族が存在するならば、その方の意見を全く聞かない、という態度はナンセンスです。

親族の方と専門職とで話し合いをしながら進めていくことになるでしょう。

その際、使えるお金がどれだけあるか、という情報を共有せずには、意味のある話し合いが成り立つとは思えません。

そんな場合には財産の状況を開示することになります。

でも、親族の方の関心事が、本人の暮らしのことではなく「将来自分がどれだけ相続できるか?」ということだと思われる場合もあります。

そんな時には、財産内容を開示することは避けるでしょう。

被後見人が亡くなられた後に紛争になることが予想される場合に、あえて推定相続人全員に対して財産状況を開示しておくこともあり得ます。

後見人はご本人のために働くのですから、亡くなられた後のことについて責任を負うわけではありませんし、関わるべきではないのかもしれませんが、もしも紛争予防に役に立つことがあるならば、行ってもよい場合もあり得る、というのが私の考え方です。

では、判断の基準はどこにあるのかというと、「具体的で明確な基準があるわけではない。」としか言いようがありません。

「本人のためには何がベストか?」という抽象的な問いから出発して、事案に応じて、考えて、考えて、考え抜く、ということになります。

 

以上、あくまでも「私の場合」ですが、「専門職後見人が何を考えているかわからない」という親族の方々の参考になりましたら幸いです。

 

【2019年11月12日追記】

本文でも書いたとおり、この記事の内容は全くの私見です。

特に「あえて推定相続人全員に財産状況を開示しておくこともあり得る」という部分は、極めて特殊な場合のことを言っています。

一般化できるものではありません。

十分にご注意の上、参考にとどめてください。

 

 

☆こちらの記事も読んでみてね☆

★成年後見人の報酬のこと。【2019年8月追記あり】

★「そもそも」を考えてみよう⑥ 「後見人が通帳を見せてくれません。」

★「そもそも」を考えてみよう① 「親の入院費を親の口座からおろしたい。」

★成年後見ジャンルの過去記事の見直しを進めていこうと考えています。

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2017年1月18日 | カテゴリー : 成年後見 | 投稿者 : Kazuko Kataoka