「そもそも」を考えてみよう⑥ 「後見人が通帳を見せてくれません。」

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

写真はツワブキです。

・・・と言っても、この花を「ツワブキ」であると認識するようになったのは最近のこと。

日曜朝の「趣味の園芸」で取り上げられていたのを見て、あ、この花がツワブキだったんだ、と知りました。

毎年この時期には、よく見かけていたはずなのだけど、気に留めていなかったのですね。

これがツワブキだと知って、改めて見てみると、結構あちこちに咲いてます。

自生してるものもあり、植えられているものもあり。

実は、とても身近な植物だったんですね。

 

さて、今日は成年後見に関する話題です。

次のような場面を考えてみてください。

 

Aさんのお母さんは認知症で、お金の管理ができなくなりました。

そこでAさんは、お母さんの後見開始の申立てをしました。

Aさんは、自分が後見人になるつもりでしたが、家庭裁判所はAさんではなくB司法書士を後見人に選任しました。

それを知ったAさんは、さっそくB司法書士に連絡を取り、

「まずは母の財産状況を教えていただきたい。今後は私も管理状況をチェックしたいので、定期的に通帳を見せていただきたい。」

と申し入れました。

ところがB司法書士の返事は

「それはできません。」

というものでした。

疑問に思ったAさんは家庭裁判所へ問い合わせました。

『後見人に母の財産目録を見せるよう頼んでいますが、見せてくれません。本人の家族にすら見せられないという法的根拠を教えてください。』

自分は息子なのに。

後見人といえども赤の他人が何故拒否するのだろう。

そんな権限があるのか? おかしいだろ? という気分です。

裁判所へ言えば、B司法書士に指導してくれるだろう、とも考えました。

ところが家庭裁判所の返答は

『後見人には本人の家族に財産を開示しなければならない義務はありません。』

というものでした。

 

いかかでしょう。

このお話は、私の私的な見解ではありません。

『』で示した部分は、東京家庭裁判所の「後見サイト」に掲載されているQ&Aをそのまま引用したものなのです。

でも、「裁判所がそう言っているのだから仕方がありませんよね」で済ませてしまっては納得できない方もいらっしゃると思います。

そこで、少しだけ「そもそも」を考えてみましょう。

Aさんのお母さんが認知症でなかったとして、Aさんがお母さんに対して

「財産はどれだけあるの? 通帳を見せて。」

と言ったとしたら、お母さんは応じる義務があるでしょうか。

あるハズがありませんよね。

Aさんがお母さんにそのようなことを尋ねる動機がどのようなものであれ、お母さんが自分の財産状況を息子に開示すべきである、などという結論は導きようがありません。

だとしたら、母さんの成年後見が開始して、お母さんが「被後見人」になった途端に、息子に「通帳を見せろ」という権利が生じる、なんていうことも、あるハズがありません。

少し考えてみればアタリマエだと思います。

「アタリマエではないよ!」

とお感じになる方は、是非じっくりと考えてみてください。

 

 

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2016年11月25日 | カテゴリー : 成年後見 | 投稿者 : Kazuko Kataoka