「そもそも」を考えてみよう④ 「弁護士費用が高すぎる!」

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

ビオラちゃんの発芽を確認してから1か月。

ようやくここまで育ちました。

この1か月、花屋さんの店頭には、花付きのパンジー・ビオラの苗が続々と入荷してます。

「これを買っちゃえば手っ取り早く花が楽しめてお手軽なんだけどなあ・・・」

と思うこともあるけど、

「成長をじっくり観察」の楽しみを減じさせないよう、花付き苗を買うのはガマン、我慢。

 

今日は法律家に事件処理を依頼する場合の費用についてのお話。

 

Aさんは職場でパワハラを受けています。

最近は体調も悪く、仕事の効率も落ちている。

このままではクビになってしまうかも。

何とか状況を打開したい。

思い切って転職しようか。

でも、次の仕事が見つかるだろうか。

次の仕事が見つかるまでの生活費はどうする?

パワハラでひどい目にあったのだから、会社や上司から慰謝料が取れないだろうか。

そう思ったAさんは区役所の弁護士相談に行きました。

担当のB弁護士は熱心に話を聞いてくれました。

Aさんは、この問題をB弁護士に委ねたいと思いました。

そこで

「あのう・・・費用はどのくらい・・・」

と尋ねてみました。

「着手金は15万円です。これは結果に関わらずお返しすることはできません。それとは別に成功報酬として、得られた経済的利益の○○パーセント、それから、交通費等の実費が・・・」

それを聞いたAさんは仰天しました。

弁護士費用は高いとは聞いていたけれど、着手金15万円とは・・・。

自分の給料の手取りは1か月18万円。

そのほとんどが吹っ飛んでしまうとは・・・。

自分はパワハラの被害者なのに。

被害に遭った上に、弁護士からも毟り取られることになるのか・・・。

理不尽だ・・・。

 

いかがでしょうか。

Aさんと同様、「理不尽だ」と思われましたか?

では、ちょっと考えてみてください。

そもそも「弁護士に依頼する」とは、どういうことなのでしょうか。

「壊れたエアコンの修理を依頼する」とか「荷物を宅配業者に届けてもらう」といったことと同等に考えてよいのでしょうか。

それらと比較して「高い!」と驚くような性質のものなのでしょうか。

B弁護士に依頼をする、ということは「B弁護士という一人の人間に、自分専用に動いてもらう」ということです。

Aさんの抱える問題はAさん固有のものです。

特に、パワハラの問題などは、マニュアルどおりに処理できるようなものではありません。

エアコンの修理とは違うのです。

B弁護士は、依頼を受けるとなったら、Aさんからより詳しい事情を聴き取るでしょう。

面談は一回では済まないかもしれません。

「慰謝料を取りたい!」というAさんの希望がかなうかどうかの見通しは、必要な資料が揃っているかどうかを確認してみなければ、わかりません。

Aさんは「証拠はあります!」と言うかもしれませんが、それが、何時間にも及ぶ録音だったとしたら、B弁護士は、それを全部聞かなくてはなりません。

全部聞いてみたけれど「使えない」ものばかり、ということもあり得ます。

Aさんは「同僚が証人になってくれるはずです!」と言うかもしれませんが、その同僚から直接話を聞いてみないことには、証拠として使えるものかどうかはわかりません。

使えそうだったとしても、証人との打ち合わせ、尋問の予行演習等々、大変な手間がかかります。

もちろん訴状を作成する手間もかかります。

代理人として実際に裁判所へも出向きます。

そんなこんなで、Aさんのパワハラ事件の解決までにB弁護士が費やした時間のトータルが日数に換算して「2週間」だったとしましょう。

B弁護士はほぼ半月を「Aさん専用」として動いたことになります。

ということは、B弁護士は少なくとも「普通の人の給料の半分程度」はもらわなければ、仕事として成り立たない、ということになります。

弁護士はボランティアではないのですから。

では、「15万円」は高いでしょうか?

トータルで半月を費やして「15万円」ならば「月給30万円」ということになりそうです。

Aさんは「自分よりは高給だ!」と言うかもしれません。

でも、この「30万円」は「手取り」ではありません。

事務所経費(家賃やら通信費やら)、弁護士会の会費、その他いろいろを、ここから支払わなければならないのです。

「成功報酬をがっぽり取るんでしょ?」と思われるかもしれませんが、「成功」するかどうかは、やってみなければわかりません。

特にパワハラ問題などは、結果の見通しが難しいのです。

こうやって考えてみると、「弁護士費用は高すぎる!」という感じ方は「違うかも。」と理解していただけるのではないでしょうか。

 

さて、ここまで「そもそも弁護士に依頼するとはどういうことか」について、いろいろと書いてきましたが、司法書士の私が、なぜ弁護士さんの「そもそも」についてお話するのかというと・・・

「司法書士さんに頼めば安くやってくれるんでしょ?」

というご質問をいただくことが多いから。

実際、このホームページにも

「簡裁訴訟代理 着手金40,000円~」

なんて書いてありますし。

でも、これは「弁護士さんと同じことを4万円でやりますよ。」

という意味ではないのです。

そもそも、パワハラ事件等の難しい案件ををお引き受けすることは想定していないのです。

「ある程度マニュアルどおりにやれる事件であれば4万円で引き受けることは可能」だけれども、「オーダーメイドでの個別対応」であれば、やはり手間がかかる分の着手金はいただく必要があります。

では、弁護士さんと同じ報酬をもらって同じだけの仕事をするのか、というと、そうではありません。

依頼する側から考えると、同じだけの報酬を支払う必要があるならば、司法書士よりも弁護士さんに依頼した方がよいのです。

弁護士さんの方が、制約なく自由に動ける場面が多いですから。

 

今日のお話は、少し長くなりましたけど、何かの参考になりましたら幸いです。

 

 

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2016年11月7日 | カテゴリー : 訴訟・裁判 | 投稿者 : Kazuko Kataoka