「せんせー、たまには顔見せに来てよ~」って・・・(泣)

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

この坊主のような宇宙人のような物体、最近よく見るようになって、何だろ?と思ってたのですけど、

こうなって

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こうなって

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こんなふうに咲き始めました。

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アガパンサス、という花のようです。

 

さて、日曜日の今日、大井町線沿いのこの道を歩いてるってことは・・・

そう、休日出勤です。

先週積み残してしまった事務を、ちょっとだけ片付けようと思って。

なぜ積み残しが出てしまったかというと、突発性の用事が入ってしまったから。

在宅で一人暮らしの被後見人Tさんが鍵を失くして困ってる、というので、私が保管している鍵から合鍵を作製して届けに行ったのです。

(遠方とまでは言わないけど、ご近所とも言えない場所です。)

このTさん、私が後見人に就任する数年前からいろいろと問題があったようです。

いち早くそれに気が付いて、Tさんを見守っていたのは、地元の社会福祉士さんです。

保健師さんや行政の方も問題に気が付いていたとのこと。

警察のご厄介にもなったようです。

で、これは成年後見制度を使った方がいい、ということになって、いろんな方の尽力で後見開始となったのですが・・・

Tさん自身が納得しなかったのですね。

自分のことは自分でできる、何で「後見人」なんてものが必要なんだ! というわけです。

そして弁護士さんが登場。

すったもんだの末、後見開始の審判は取消し、差し戻しとなり、鑑定の結果、結局は後見開始となったのでした。

Tさんの後見人に就任した私は、まずは社会福祉士さんとお会いしました。

いろいろとお話を伺って、「Tさんは援助が必要な状態である。」ということがよく理解できました。

その後、弁護士さんともお会いしてお話を伺い、「ご本人の意思を尊重しなくてはならない。」ということも痛感しました。

さて、Tさんの法定代理人となった私は、まずは地元のケアマネさんと契約しました。

そこから始まって

ヘルパーさんの訪問による生活援助、

訪問診療のドクターの定期訪問、

訪問看護のナースによる健康チェック、

配食サービスによる食事の確保、

そして、デイサービスの利用にトライ、

と、第三者によるTさんへの援助は増えていきました。

並行して、私はTさんと信頼関係を築くことを目指しました。

これは簡単にいくワケがありません。

「自分でできる!」と言うTさんから通帳を取り上げて管理しているのですから。

毎日のように電話がかかってきて、何度ケンカになったやら・・・。

でも、少しずつ関係がよくなってきた気がします。

そうそう、鍵の話に戻ります。

合鍵を作って届けるのは2度目です。

Tさんは喜んでくださいました。

「せんせー、いつも迷惑かけて悪いなあ。今度は絶対なくさないようにするからな。」

と、笑顔でした。

「今からお茶飲みに行くんだ。」

というTさんと一緒にTさん宅を出て事務所に戻った私でしたが、ふと気になります。

「もしも出先で鍵を失くしたら、Tさん、家に入れないよね・・・」

気になりだすと、心配がつのります。

家に入れなかったら、HELP!の電話もできないよね。

いや、何とかなるかな。

関係先のあちこちには私の名刺置いてきてあるし。

何とか繋がるはずだよね・・・。

そして夜になり、着信あり。

「はい、Tで~す。お弁当が届いてるんだけどな。これ、せんせーが届けてくれたの?」

「うん、ケアマネさんと相談して、届けてもらうことにしたんだ。」

「そうかあ、助かるよ。ありがとな~。」

ああよかった、Tさん、ちゃんと帰宅してる。

「せんせーにはいつもお世話になってるなあ。お世話になりっぱなしで申し訳ないよ。直接お礼も言いたいし、せんせー、たまには顔見せに来てよ~。」

って・・・今日会ったでしょ。

鍵届けに行ったじゃない。

覚えててよ、私も頑張ってるんだからあ~(泣)

でも、仕方がないのですよね。

これだからこそまさに、Tさんには援助が必要なのですものね。

「そうねえ、私も結構忙しいんだ。来月、7月になったらまた行くね。」

「おお、待ってるぞ。じゃあな。」

Tさんの安否確認完了ということで、ま、いっか。

これからもTさんとは地道に信頼関係を築いていこうと思ってます。

 

【2019年11月7日追記】

この記事を書いてから3年数か月が経ちました。

この記事のモデルとなったTさんとは、結局のところ信頼関係を築くことが出来ずに終わりました。

Tさんとの関係が終わってしまったのは、私がこの案件の後見人を辞任したからです。

当時は、Tさんとの信頼関係が築けない原因を「自分の力不足」であると考えていました。

でも今は、「アルツハイマー病の進行の不可逆性」そのものが原因だったのだ、と考えています。

当時それがわかっていたら、私はこの件の後見人を続けていたかもしれないです。

本当に、いろいろと考えさせられた案件でした。

 

 

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2016年6月12日 | カテゴリー : 成年後見 | 投稿者 : Kazuko Kataoka