クロスの張り替え費用はどちらが負担する? ②

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こんにちは。司法書士の片岡和子です。

 

昨日の記事で、

「経年変化や通常損耗の修繕費は大家さんの負担」

という原則についてお話しました。

→「クロスの張り替え費用はどちらが負担する? ①」はこちら

契約書に書いてある

「借主は契約終了時には本物件を原状回復して明け渡さなければならない」

という時の「原状回復」というのは、借りた時の状態と同じところまで戻す、という意味ではないのでしたね。

では、賃貸住宅の「原状回復」とは、どういうことなのでしょうか。

賃貸住宅の「原状回復」とは、

「借主の責任によって生じた損耗・キズ等の破損部分をもとの状態に戻すこと」

です。

では「借主の責任」とは?

これについては

「借主の故意・過失や通常の使用方法に反する使用」

などであると考えられています。

具体例で考えてみましょう。

クロスをわざと破いた。

これはもちろん「故意」ですよね。

この場合、借主はクロスの張替え費用を負担しなければなりません。

借主の子供が壁に落書きをしてしまった。

これは親の不注意、ということになります。

(ちょっと難しい言葉で、「善管注意義務違反」といいます。)

この場合もやはり、クロスの張り替え費用は借主の負担になります。

あらかじめ天井に取り付けてある照明器具用コンセントを使わずに直接天井に照明器具を取り付けた場合の跡。

これは「通常の使用を超える」と考えて、やはり天井クロスの張替えの費用は借主が負担することになるでしょう。

昨日もお話しましたが、壁に掛けた絵の跡は、「通常損耗」と考えられていて、大家さんの負担となります。

「普通に生活をしていて生じた損耗であって、借主の責任によるものではない。」

というわけですね。

こうやって、いろいろと書いてくると、

「何だか基準がよくわからない。一覧表のようなものはないの?」

と言われてしまいそうですね。

国土交通省が

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

というものを作成していて、その中に一覧表がありますので、詳しく知りたい方は、そちらを参考にしてくださいね。

 

ところで、こんな場合を考えてみてください。

もう20年以上住んでいる借家から引っ越すことになった。

壁のクロスには孫が遊びに来た時にやってしまった落書きの跡がある。

大家さんは、

「そちらの不注意だから、クロスの張り替え費用は負担してください。」

と言う。

でも、もう20年以上経ったクロスは全体に変色していて、落書きがなくても張替えが必要な状態。

それでも、クロスの張り替え費用は借家人が払わなくちゃいけないの?

何だか変な気がするんだけど・・・

 

この続きは、また次回に。

 

【2020年10月27日追記】

現在、私は訴訟関係の仕事は引き受けておらず、相談もお受けしていないです。

このブログの訴訟・裁判カテゴリーの過去記事は残してありますので、どうぞ参考になさってください。

 

 

☆こちらの記事も読んでみてね☆

★クロスの張り替え費用はどちらが負担する? ①

★クロスの張り替え費用はどちらが負担する? ③

★クロスの張り替え費用はどちらが負担する? ④

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2014年12月10日 | カテゴリー : 訴訟・裁判 | 投稿者 : Kazuko Kataoka