「都合のよいところだけ制度を利用」はダメ。 ~成年後見~

DSC01494

こんにちは。世田谷区の司法書士です。

最寄駅は東急大井町線尾山台・九品仏です。

目黒区・大田区・品川区の方にも便利なところです。

お気軽にご相談においでくださいね。

 

さて、人間って、自分の身の回りに起こる事象の中から自分に都合のよい事実だけを拾い出して、自分の都合のよいように解釈してしまうこと、ありますよね。

一見、法律問題に思える紛争も、よくよく観察してみると、そんな人間の傾向が影響していることも多い、と感じます。

たとえば、敷金に関する紛争。

大家さんの思い込みが事態をややこしくすることがあります。

→「大家さんのホンネと勘違い」はこちら

離婚の例でいえば、同じ出来事が「ケンカ」になったり「暴言」になったり。

→「嘘だらけの訴状・答弁書」はこちら

実は、成年後見制度の利用開始の場面でも、同様のことを見かけることがあるのです。

成年後見制度については、参考になる書籍等、情報はたくさんあります。

家庭裁判所もホームページなどで情報発信しています。

それらを丹念に調べて、きちんと理解すれば、誤解は起こらないようにも思えるのですが、法律専門職でない一般の方には、なかなかそれが難しいようです。

たとえば、認知症の高齢者Aさんがいたとしましょう。

息子のBさんと同居していますが、Bさんは日中仕事に行っていて、Aさんは一人になります。

そこへ、訪問販売の人たちが次々とやってきて、Aさんにあれやこれやと買わせてしまいます。

困ったBさんは、自分が成年後見人になればAさんの被害を防げると考えて、家庭裁判所に後見開始の審判の申立てをしました。

すると、家庭裁判所から「Aさんの財産目録を提出してください。通帳の残高が間違いないか、通帳の最終ページのコピーも提出してくださいね。それから、最近の収支状況をまとめて報告書にして提出してくださいね。」

と指示が出ました。

すると、Bさんはキレてしまいました。

「なんで他人に親父の通帳を見せなきゃならないんだ? 訪問販売のやつらがやってきて困るから、俺が成年後見人になって追っ払おうと思ってるだけなのに! 俺と親父は家族だ、親父の貯金をどう使おうが、そんなことは、俺が責任を持ってやればいいことで、裁判所に口出しされるいわれはない!!!」

というのがBさんの言い分です。

でも、残念ながら、この言い分は通りません。

Bさんはきっと、事前にいろいろと情報収集する中で、「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。」と知ったのでしょう。

そして、Aさんが成年被後見人になり、自分が成年後見人になることで、いろいろな問題が解決できる、この制度は使える、と考えたのでしょう。

Bさんがいろいろと調べた情報源には、「被後見人の財産と後見人の財産は、きちんと区別して管理しなければならない。」とか、「後見人は定期的に家庭裁判所に報告をし、監督を受けなければならない。」ということも、書かれていたはずです。

(信頼のおける情報源ならば、ですが。)

そもそも、成年後見制度は本人を守る制度なので、外部からの財産侵害だけでなく、後見人による財産侵害も防がなければならないのです。

ですから、後見人にはいろいろな職務が課されています。

それら後見人の職務については、Bさんの目には止まらなかったのでしょう。

「俺はそんなこと聞いてない!」という状態だったのでしょう。

でも、Bさんには、今からでも後見人のあり方について理解していただかねばなりません。

成年後見制度について正確な理解をするための情報源としては、やはり、家庭裁判所の発信しているものがいちばんです。

東京家庭裁判所の場合でしたら「成年後見申立ての手引」というものが出されています。

この中に「成年後見人(保佐人、補助人)の職務について」という項目がありますので、ご親族の成年後見人になろうと考えておられる方は、ぜひここを熟読していただきたいと思います。

 

【2019年8月30日追記】

この記事は2014年5月29日に書いたものです。

考え方については当時も今も、何ら変わりはないです。

ただ、当時は、この制度についての啓発活動に足りない面があったのは事実だと思います。

(だからこそ、当時の私がこうやって一生懸命書いていた、ということなのです。)

現在では、家庭裁判所も、ホームページ上に注意書きを増やしたり、「手引き」等をわかりやすくするなど、いろいろと工夫をしているようです。

ネット上にはいろいろな情報があふれていますが、必ず純正な情報(=家庭裁判所が出している情報)を確認するようにしてください。

 

 

☆こちらの記事も読んでみてね☆

★成年後見制度を利用しない、という選択肢もある。

★成年後見制度は相続争いと結びついてしまうこともある。

★事務所内部を大公開!

★ちょっと詳しい自己紹介です。

★法律問題に限定しない有料カウンセリングを始めます。

 

ブログの更新情報や私のちょっとした近況などを facebook で公開しています。

ぜひ覗いてみてくださいね。

→ → → こちら

 

片岡和子司法書士事務所へのお問い合わせ・相談予約はこちら

 

2014年5月29日 | カテゴリー : 成年後見 | 投稿者 : Kazuko Kataoka