こんにちは。片岡和子です。
写真は多肉植物「虹の玉」です。
寒くなると赤くなるのだけど、まだまだ緑色。
冬もまだまだこれから、ってことですね。
お待たせしました。
月に2回の歌詞解説。
今日は The Very Thought Of You です。
早速いきましょう。
< The very thought of you, and I forget to do the little ordinary things that everyone ought to do >
最初から長い文ですね。
丁寧に見ていきましょう。
the very thought of you は「あなたのことを考える、まさにその考え」です。
very は、ここでは「まさしくその」という意味の形容詞です。
名詞にくっついて強調する働きをします。
形容詞にくっついて強調する副詞の very は頻繁に見ると思いますが、形容詞の very はあまり見かけないかもしれませんね。
the very thought of you は、名詞 thought にいろいろとくっついているもの、つまり全体で「名詞」です。
この名詞が文の中でどんな働きをしているかというと・・・
実は、この文は「名詞 + and」という形になっています。
この形は、条件文と同じ働きをするのです。
「名詞, and ~」という形で「if … , ~」と同じような意味を表している、ということです。
the very thought of you の実際の意味は「あなたのことを考えるならば」ということなのです。
ただ、この文では if というより when に近い意味になっています。
主人公の思いは「仮定」ではなく「現実」ですので。
「あなたのことを考える時には」、「あなたのことを考えると」ということですね。
で、あなたのことを考えるとどうなるのかというと、それが I forgot to do the little ordinary thing です。
日常のちょっとした事をするのを忘れてしまう、というのです。
that は関係代名詞で、everyone ought to do が前の thing を修飾しています。
誰もがやらなくちゃならない、そんな日常のあれこれ。
私は、ここを読んで「歯磨き」とか「ごはんを食べる」といったことが頭に浮かびました。
わかる気がしますよねえ。
恋に落ちて、相手のことを四六時中考えてしまう、気がつくと食事をするのも忘れてる・・・
誰でも経験あり、でしょう。
ここまで、最初の一文にやたらと力を入れて解説してしまいましたが、実はそれでOKなのです。
この歌の雰囲気はこの一文で十分に現れていて、この後も同じような内容が続いていきますので。
< I’m living in a kind of daydream >
a kind of ~ は「一種の~、いわば」。
daydream は「白昼夢、空想」。
私はいわば白昼夢の中で生きている、ですね。
< I’m happy as a king >
私は王様みたいに幸せです、ですね。
< And foolish though it may seem, to me that’s everything >
前半は語順がひっくり返っています。
元の形に戻すと、And though it may seem foolish です。
ばかげて見えるかもしれないけど、ですね。
後半も語順がひっくり返ってます。
元の形に戻すと、that’s everything to me です。
私にとってそれが全てなのです、ですね。
< The mere idea of you >
idea は「考え、観念、認識」。
mere は「「ほんの、単なる」。
the mere idea of you 、は「単なるあなたについての考え」。
最初の文の the very thought of you と同じ内容の、別の言葉での言い換えだと考えてよいでしょう。
< the longing here for you >
longing for ~ は「~へのあこがれ、熱望」。
here は「ここに、ここにある」という副詞です。
(形容詞的に使われています。)
今まさにここにあるあなたへの憧れ、ですね。
前の行の the mere idea of you も、この the longing here for you も、文ではありません。
単なる名詞(に冠詞や副詞などがくっついたもの)です。
実はどちらも、意味上は次の文と一緒になっていると考えられます。
長くなってしまうので分けて書きましたが、最初の文と同様、if ~ 、または when ~ と言い換えられるような意味を担っているのだと思います。
< you’ll never know, how slow the moments go till I’m near to you >
先に how 以下を見てみましょう。
how slow the moments go は「時間は何と遅く進むのだろう」。
till I’m near to you は「私があなたのそばにいるまでは」。
会える時が待ち遠しいのですね。
いずれ会えるのだけど、それまでの時間が長くて長くて、ちっとも進まないのですね。
前半の you’ll never know は「あなたはわからないでしょう」。
how 以下が「わからない」の内容である、と考えることもできますし、「あなたにはわからないだろうけど」と挿入したもの、と考えることもできると思います。
どっちでもいいのですが、一段上・二段上の名詞たちと意味が繋がっていると考えると、「挿入」だと考えた方がすっきりすると思います。
< I see your face in every flower, your eyes in stars above >
前半は「私は全ての花の中にあなたの顔を見ます」。
誰もが経験あり、でしょう。
後半の your eyes の前には I see が省略されています。
「上空の星たちの中にあなたの目を見ます」。
はい、誰もが経験あり、ですよね。
< It’s just the thought of you, the very thought of you, my love >
最初の it は特定の何かを指し示しているのではなくて、ここまで述べられてきた内容全般を指しているのだと思います。
ただあなたのことを考える、それだけのことで、こんなにも日常が非日常に変わってしまう、ってことですね。
以上を踏まえて和訳です。
君のことを考えると
いつもの当たり前のことをやり忘れてしまうんだ
誰もがやらなくちゃならないあれこれをね
白昼夢の中で生きてるみたいなんだ
王様みたいに幸せなんだよ
馬鹿げてるかもしれないけど それが全てなんだ
ただ君のことを思って 君を熱望してたら
会えるまでの時間がちっとも進まないんだ
君には想像できないかもしれないけど
花々の中に君の顔が見える
星たちは君の眼に見えるよ
君のことを考えるだけで
僕はこんなふうになってしまうんだよ
愛しい君よ
いかがでしょう。
参考になりましたら幸いです。
/// Words by Ray Noble///
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