こんにちは。片岡和子です。
2週間前に植え付けたビオラちゃん、次々と咲くので、切り取ってお部屋に飾ってます。
何とも不思議で個性的な色でしょ。
今年の私の好みは、この複雑色なのでございます。
さて今日は歌詞解説。Cheek To Cheek です。
早速いきましょう。
< Heaven, I’m in heaven >
「天国、僕は天国にいるんだ。」
この最初の一文とメロディーの雰囲気で、すぐにハッピーな歌だとわかります。
< And my heart beats so that I can hardly speak >
「そして僕のハートはドキドキして、喋ることもできないぐらいなんだ。」
so that は、前の文を受けて、「それで、その結果」という意味を表します。
hardly は否定を表す副詞。
それほど強い否定ではなく、ほとんど~ない、というニュアンスです。
ま、あまり深く考えなくてもいいでしょう。
「胸が高鳴って、うまく喋れない」って、誰でも経験ありますよね。
< And I seem to find the happiness I seek >
「そして僕は探していた幸せを見つけたみたいなんだ。」
< When we’re out together dancing cheek to cheek >
out は「外に、外部に、外出して」。
together は「一緒に」。
out together は「一緒に外にいる、一緒にお出かけ」ってこと、つまりはデートですね。
で、どんなデートかというと dancing cheek to cheek 、頬を寄せ合ってダンス、なのですね。
全体で「僕たちが一緒に出かけて頬を寄せてダンスしている時には」です。
実は、このwhen 以下は文ではありません。
「~する時には、~したら」という、時を表す副詞節です。
この副詞節がどこへかかっているのかというと、一行上に示した And I seem to ~ 、それからその上の And my heart beats ~ 、それから冒頭の Heaven, ~ にも。
つまり、最初からここまで全てが、ひとかたまりなのですね。
全体を一文として表示すると長すぎるため、区切って表記して解説した次第です。
< Heaven, I’m in heaven >
< And the cares that hung around me through the week seem to vanish like a gambler’s lucky streak >
< When we’re out together dancing cheek to cheek >
これもひとかたまりの、長い長い一文です。
3分割して表示してあります。
第1部分と第3部分は、もう解説の必要はありませんね。
間の第2部分を見てみましょう。
この部分の主部は the cares that hung around me through the week 。
述部は seem to vanish like a gambler’s lucky streak 。
どちらも長いですねえ。
主部のうち、純粋な主語は the cares です。
care は「心配、気がかり、懸念」。
複数 care になると「心配事、気苦労、悩みの種」です。
that は関係代名詞で、that 以下が the care の説明になっています。
hung は動詞 hang の過去形です。
hang around は「~にまつわりつく」。
主部全体の意味は「一週間ずっと僕にまつわりついていた心配事」ですね。
その心配事がどうなったかというと、seem to vanish、「消えてしまったみたいだ」、like a gambler’s lucky streak、「ギャンブラーの幸運期みたいに」。
ここでの streak は「期間、短期間、連続」といった意味だと思います。
賭け事って、波みたなものがありますよね。
その波の「いい方」のことを言ってるのだろうな、と思います。
もちろん例えとして持ち出しているのですが。
ここで streak という単語が用いられているのは、意味上の必要というよりは、韻を踏むためです。
この streek は speak、seek、week、そして cheek と韻を踏んでいるのです。
この解説では意味を正確に取るために歌詞を文単位で表記しているため、ちょっとわかりにくくなっていますが、歌ってみればわかります。
< Oh, I love to climb a mountain and to reach the highest peak >
「僕は山に登るのが大好き、一番高い頂上に到達するのが大好きだ。」
特に難しいところはないですね。
冒頭の Oh はリズムを取るためのものだと思います。
これも歌ってみればわかります。
< But it doesn’t thrill me half as much as dancing cheek to cheek >
「でもそれは、頬を寄せてダンスすることの半分も僕をワクワクさせないんだ。」
thrill という単語はそのまま「スリルを感じさせる」と訳してもいいかも。
as much as ~ing は「~するのと同じくらい」。
half がくっついていますから、同じくらいどころか半分もスリルを感じさせない、と言っているのですね。
< Oh, I love to go out fishing in a river or a creek >
「僕は川や小川に釣りに行くのが好きさ。」
river と creek はどう違うんだ? というのは問題ではありません。
peak、creek、cheek が韻を踏んでリズムを生み出している、ということなのです。
< But I don’t enjoy it half as much as dancing cheek to cheek >
「でもそれは、頬を寄せてダンスすることの半分も楽しくはないんだ。」
< Dance with me >
「僕と踊って。」
命令文です。
< I want my arms about you >
「僕は、僕の腕に、君のまわりにあることを望みます。」
???・・・要するに、彼女の体に腕をまわしたいのですね。
< The charms about you will carry me through to heaven >
前の文の about は「場所」を表す前置詞でしたが、この文の about は「関連」を表します。
「君に関する魅力は、僕を天国へと運んでいく」ですね。
要するに「君の魅力」なのですが。
言葉だけを見ると少々無理のある表現のようにも思えます。
でも、about you を繰り返して使うことでリズムを生み出しているのですね。
歌ってみればわかりますが、ふたつの about you は同じリズム・同じ音程のメロディーに当てられています。
で、あとの about you は半音下がってます。
うまくはめてあるなあ、と思います。
< I’m in heaven >
< And my heart beats so that I can hardly speak >
< And I seem to find the happiness I seek >
< When we’re out together dancing cheek to cheek >
冒頭の長い長い文と全く同じ・・・ではありませんね。
最初に Heaven がありません。
どこへ行ったのかというと、前の文の最後にくっついてるのですね。
carry me through to heaven の to heaven という形で。
ただし、歌った場合には、同じ音に同じ語句がはまるようになってます。
意味上の位置づけは異なるのですが、ちょっと聴いただけでは全く同一の歌詞の繰り返しなのです。
つくづく凝った作りだなあ、と思います。
以上を踏まえて和訳です。
和訳してしまうと歌詞の面白さが消えてしまいそうですが、そこは仕方がない、ということで。
天国、僕は天国にいるんだ
ハートはドキドキして喋れないぐらいだ
僕は探していた幸せを見つけたみたいだ
君と出かけて頬を寄せてダンスしてるとね
天国、僕は天国にいるんだ
今週ずっとつきまとってた心配事も消えてしまった
まるでツイてるギャンブラーみたいだよ
君とデートで頬を寄せて踊ってるとね
僕は山登りが大好き 頂上に立つのが大好きさ
でも君と頬をよせてダンスする半分もワクワクはしない
僕は川や小川へ釣りに行くのが大好きさ
でも君と頬を寄せて踊る半分も楽しくはないんだ
僕と踊って
腕を君にまわしたいんだ
君の魅力は僕を天国まで連れて行くんだよ
僕は天国にいる
胸が高鳴って喋れないよ
探し求めていた幸せを手に入れたんだ
君と頬を寄せて踊ってるんだ
いかがでしょう。
参考になりましたら幸いです。
/// Words by Irving Berlin///
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