マイナンバー入りの住民票は本人あてに郵送・・・さてどうする。

こんにちは。司法書士の片岡和子です。

事務所玄関の手ぬぐい飾りは爽やかな渓谷の景色。

こんな場所へ一か月ぐらい避暑に行けたらなあ。

毎日毎日読書三昧。時々散歩。

気が向いたときに食べて、気が向いたときに寝て。

・・・夢のまた夢、ですね。

 

さて、今日の話題は「マイナンバー入り住民票」です。

いろんな手続きに必要なマイナンバー。

でも、通知カードやマイナンバーカードを紛失したりして、マイナンバーがわからなくなってしまうことも。

そんなこと滅多にないでしょ? と思われるかもしれませんが、そうでもないのです。

私が専門職として関わっている成年後見の現場では「あるある」なのです。

物忘れがひどくなって、判断能力が低下して、ご自身ではいろいろな手続きができなくなって・・・という方々が利用するのが成年後見の制度です。

いろいろなものが紛失して・・・という状態になっている方が多いのです。

我々専門職は、そんな方々の成年後見人に就任すると「あれがない、これもない」という状況に直面します。

で、その都度コツコツと再発行の手続きをして、必要なものを揃えてゆくのです。

私が関わっている方々で、マイナンバーカードをお持ちの方はとても少ないです。

あまり普及していないのだなあ、と実感します。

殆どのケースでは「マイナンバー通知カード」を使って事務処理をしていくのですが、これが見当たらない場合でも再交付は受けられません。

そこで「マイナンバーが記載された住民票」を取得する必要が出てきます。

つい先日も、そんなケースがありました。

Aさん。住所地は都内B区。

私は、まずはB区のホームページで「マイナンバー入りの住民票の取得方法」を調べました。

ご本人が請求する場合は面倒なことはないのですが、問題は「代理人による請求」であること。

B区では「委任状等が揃っていれば代理人による請求は可能。ただしマイナンバー入りの住民票はその場で代理人に渡すのではなく、後日本人あてに郵送」とのこと。

おそらく、どこの自治体でも同様の扱いだろうと思います。

この取り扱いは不合理ではありません。

代理人からの請求の場合、委任状が必要で、それに加えて窓口にやって来た人の本人確認を行うのが通常です。

代理人の身元はこれで確認できます。

でも、委任状がホンモノかどうか・・・これがわからない。

ここに危険があるのです。

なので、マイナンバーが記載された住民票を代理人に渡してしまうのはちょっと・・・なのです。

ならば、住民票の住所あてに郵送すればよい。

そうすれば、本人以外が受け取ることはないだろう、ということなのです。

完璧ではないかもしれないけれど、ほぼ大丈夫だろう、という感じです。

合理的な考え方です。

代理人が「任意代理人」の場合には。

成年後見人の場合は、このやり方はうまく機能しません。

被後見人の方々は「郵便物を受け取って管理する」ことが困難です。

だから「法定代理人」として成年後見人がついているのです。

被後見人の方が老人ホームへ入所していて、住民票もそこへ移しているのなら問題はありません。

職員の方が受け取ってくださり、開封しないまま成年後見人に引き渡してくださいますから。

住民票が入所前の自宅のままになっている場合は困ってしまいます。

成年後見人がご自宅のポストをチェックしに行くことになるでしょうか。。。

ご本人が在宅生活をしておられる場合は、もっと面倒なことになります。

「受け取る→結局また紛失」が必発なのです。

ここで「そもそも」の話です。

マイナンバーが必要になる事務を実際に行うのはご本人ではなく成年後見人です。

マイナンバーを必要としているのは成年後見人なのです。

(自分のために必要なのではなく、ご本人の事務を処理するために必要なのです。)

ですから、窓口へやって来た成年後見人の代理権の確認と本人確認をしっかりやれば、その場で手渡すのが本来あるべき形だと言えるのです。

(成年後見人の代理権の確認は「登記事項証明書」という公的書類で行います。私人が作成した「委任状」とは全く違うのです。)

話を戻しましょう。

Aさんのケースです。

Aさんは長期入院中です。

住民票上の住所は自宅ですから、基本ルールから言うと自宅あてに郵送されることになるのですが・・・

ご自宅にはご家族がおられるのですが、実はこのご家族も郵便物の管理が難しいのです。

ですから、ご家族に受け取っていただいて渡してもらう、という訳にもいきません。

(高齢のご夫婦などでは、このように複合的な問題が生じていることが大変多いのです。)

さて、どうしましょうか。

私がこれまで関わってきた経験からすると、B区は硬直的な取り扱いをしがちな印象です。

「規則ですから」と言ってAさんの自宅あてに郵送されてしまうかも・・・。

私は、Aさんの入院先から私の事務所あてに届いた入院費の請求書を資料として窓口へ持参しました。

そして、あれやこれやと事情を説明したのですが、窓口の人は渋~い表情。

いろいろと聞かれて、ちょっと事情聴取的な雰囲気。

これ、苦手なのですよねえ。。。

(得意な人はいないと思うけど。)

結局、「確認してみますのでお待ち下さい」とのこと。

で、それほど待たされずに呼ばれて、行ってみると・・・

「Aさんのマイナンバー入り住民票、今日この窓口でお渡しできます」だと。

拍子抜けしました。

あらま。

場合によっては一戦交えるつもりだったのだけど。

この件がどういうことだったのか、実は今でもわかっていないです。

ホームページには載っていないけれど実は「成年後見人には窓口で渡してよい」というルールがあるのか。

Aさんの場合の事情が汲まれて例外的な扱いをしてもらえたのか。

例外的だったのだとしたら、どんな事情や資料があればOKだったのか。

B区内で扱いは統一されているのか、それとも担当者の裁量なのか。

他の自治体ではどうなのか。

ぜ~んぶ謎のままです。

 

いかがでしょう。

専門職後見人の「体当たりな日常」の一コマでした。

へえ~、と思っていただけましたら幸いです。

 

 

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2020年7月24日 | カテゴリー : 成年後見 | 投稿者 : Kazuko Kataoka