【歌詞解説・和訳:Fly Me To The Moon】フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

こんにちは。片岡和子です。

ベランダのペチュニアをちょっと切り取って、小さな薬びんに挿してみました。

桜いろ、っていうのかな。

とっても繊細な色で可愛らしいです。

(写真ではイマイチ伝わっていないかも。)

 

さて今日は歌詞解説、Fly Me To The Moon です。

ヴァース部分もぜひ読んでみていただきたく。

早速いきましょう。

 

< Poets often use many words to say a simple thing >

「詩人たちはよく、シンプルなことを言うために、たくさんの言葉を使います」と言っています。

特に難しいところもない簡単な文ですが、実はこの文、意味深なのです。

最初にネタバレしてしまいましょう。

この歌のコーラスの一番最後に「 I love you 」という、究極にシンプルな文が出てきます。

最終的にこの単純明快なことを言うために、コーラスではあれやこれやと言葉が並びます。

「私を月へ連れて行って!」みたいな大げさな言葉たちです。

それが、この歌なのです。

ヴァースの冒頭のこの一文は、この歌のそんなキャラクターを先取りして解説している形になっているのです。

 

< It takes thought and time and rhythm to make a poem sing >

文頭の it は「形式主語」です。

実質上の主語は to make a poem sing です。

実質上の主語が長くて重くて、文頭に置くとバランスが悪いので、とりあえず it を置いて整えてみた、という感じです。

make がちょっと難しいですが、make ~ … で「~に … させる」という意味です。

「詩に歌わせる」ということになりますね。

言葉で出来た詩がきちんと歌える歌になる、という感じでしょうか。

シンプルに「詩を歌にする」と訳してしまうのもよいかもしれませんね。

take はここでは「要する、費やす、必要とする」という意味です。

詩を歌にするには thought と time と rhythm が必要だ、と言っています。

thought は「思考、思案、想像力」。

time は、ここでは音楽用語の「拍子、速度、テンポ」だと思います。

rhythm は「リズム」。

 

< With music and words I’ve been playing, for you I have written a song >

まずは for 以下の後半部分を考えてみましょう。

for you は「あなたのために」。

I’ve written a song は「私は歌を作りました」。

write は、ここでは単純に「書く」というよりは「著述する、著作する」というニュアンスだと思います。

次に前半部分です。

with music and words は「音楽と歌詞で」。

words は word「ことば」の複数形ですが、ここでは歌詞のことだと思います。

場面によって意味合いが違ってきて、たとえば演劇だったら「せりふ」になるのだと思います。

words のあとに関係代名詞 that が省略されています。

play は「演奏する」。

楽器だったら「演奏する」ですが、歌だったら「歌う」と訳す必要がありますね。

主人公はこれまでにも演奏したり歌ったりして来ていて、その音楽や歌詞を使って歌を作ったのですね。

 

< To be sure that you’ll know what I’m saying I’ll translate as I go along >

to be sure は「 to 不定詞の副詞用法」と呼ばれるものです。

難しいことはともかく、「~するために」という目的を表しているのだと考えればよいです。

ここでは「確かにするために、確実にするために」という意味。

で、何を確実にするのか、その内容が that 以下 saying までに示されています。

「あなたが what 以下のことをわかる、理解する」、これを確かにするのだと言っています。

what I’m saying は「私の言うこと」。

後半の I’ll 以下は、前半で示した目的を達成するために何をするのか、を言っています。

I’ll translate は「私は翻訳します、言い換えます」。

as I go along は「進んでいきながら、やっていきながら」。

あなたのために歌を作ってみた、でも詩人にありがちなようにシンプルなことを難解に表現しちゃってるかもしれない、だから歌を進めながら同時に解説も入れていくね、ということなのです。

で、実際にコーラスでは in other words 「言い換えると」という言葉を多用して、説明しながら歌っていく、という形になっているのです。

これを理解せずにコーラスだけを読むと、「何だか理屈っぽい変な歌詞だなあ」という印象になりかねない、この歌はそんな歌なのです。

以上、ここまでがヴァースです。

ではコーラスへいきましょう。

 

< Fly me to the moon and let me play among the stars >

命令文が二つ並んでいます。

fly me to the moon は「私を月へ飛ばしなさい」。

let me play among the stars は「私を星々の中で遊ばせなさい」。

 

< Let me see what spring is like on Jupiter and Mars >

これも命令文です。

「木星や火星では春はどんな具合なのか、私に見せなさい」。

like は形容詞で、「~に似て、~のような」という意味です。

what is spring like ? という疑問文だったら「春はどんな感じですか?」という意味になります。

ここでは what spring is like という名詞節になって、on Jupiter and Mars を加えた名詞節全体が see の目的語になっています。

「木星や火星での春はどんな感じなのか、その感じを見せてください」ということですね。

 

< In other words hold my hand >

出てきました、in other words、「言い換えれば」です。

hold my hand は命令文で「私の手を握りなさい」です。

 

< In other words, darling, kiss me >

darling は呼びかけ。

kiss me は命令文です。

もちろん「私にキスしなさい」ですね。

in other words は、もう、いちいち説明しません(笑)。

 

< Fill my heart with song and let me sing forevermore >

命令文が二つ並んでいます。

fill my heart with song は「私の心を歌で満たしなさい」。

let me sing forevermore は「私を永遠に歌わせなさい」。

 

< You are all I long for all I worship and adore >

you are all I long for は「あなたは、私が思いこがれる全てです」。

long は動詞で、long for ~ で「~を思いこがれる、~に憧れる、~を切望する」という意味です。

all のあとに関係代名詞 who または that が省略されているのだと思います。

後半の all 以下が少々わかりにくいですが、all の前に you are が省略されていると考えれば理解しやすいでしょう。

「あなたは、私が崇拝し、敬愛する全てです」ということですね。

worship と adore のニュアンスの違いはよくわからないです。

もしかしたら、あまり違いはないのかも。

 

< In other words please be true >

please be true は丁寧な命令文。

「どうぞ誠実でいてください」です。

true はいろんな意味に取れますが、ここでは「忠実な、誠実な、変わらない、あてになる、確かな」がぴったりくる気がします。

(「ぴったりくる」というにしては挙げる数が多すぎるかも・・・。)

 

< In other words I love you >

はい、結論です。

言い換えると、結局のところ、つまりは I love you なのでした。

 

以上を踏まえて和訳です。

 

<ヴァース>

詩人って シンプルなことを言うのに たくさんの言葉を並べがちよね

詩を歌にするには思案が必要だわ テンポとリズムもね

私が歌ってきた音楽や詞で あなたのために歌を作ってみたの

私の言ってることをわかってもらうために 歌いながら言い換えもするわね

 

<コーラス>

私を月へ連れて行って そして星たちの中で遊ばせて

木星や火星の春も見せてね

言い換えると 私の手を取ってね、ということなの

ねえダーリン つまり キスして、ってことなの

私の心を歌で満たしてね そして永遠に歌わせてね

あなたは私が熱望する全てよ 崇拝して敬愛する全てなの

言い換えると 変わらぬあなたでいて、ってこと

つまり 私はあなたを愛してる、ってことなのよ

 

いかがでしょう。

参考になりましたら幸いです。

/// Words & music by Bart Howard ///

 

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2020年7月12日 | カテゴリー : 音楽 | 投稿者 : Kazuko Kataoka