長期入院の方の住民票のお話

こんにちは。司法書士の片岡和子です。

写真は事務所の近くの線路沿いでみつけたアガパンサス。

数日前の雨の日に撮りました。綺麗です。

梅雨には梅雨の楽しみが、ですね♪

 

今日の話題はタイトルのとおり「長期入院の方の住民票」です。

実は、タイトルはマイルドに設定しました。

タイトルはネット上での検索結果に大きく表示されますので、あまり刺激的な言葉は使いたくないな、と。

実際に話題にするのは「長期入院中であって、退院できたとしても帰る家のない方」についてです。

結論からお話ししてしまいましょう。

精神科病院に長期入院中で今のところ退院の見込みがなく、もし退院できたとしても帰る家のない複数の方の住民登録を、私の事務所の住所を使って行っています。

その方々の住民票には、住所として私の事務所の住所が記載されている、ということです。

 

驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。

え? そんなことしていいの? OKなの? アリなの? と。

実はこの問題、いいとか悪いとかの問題ではないのです。

それしかなかった、ということ。

消去法なのです。

私の立場は「成年後見人」です。

専門職として、親族に適任者がいない場合などに成年後見人に就任して、ご本人のかわりに財産管理や各種手続きを行うのです。

入院中の被後見人の方々が帰る家を失った理由は様々です。

もともと賃貸住宅に住んでおられた方。

入院して、それが長引いて・・・退院のあてがないのに賃料を払い続けるわけにもいきません。

(ご本人が大金持ちなら話は別ですが。)

不動産を所有されていた方。

ご本人に障害年金以外の収入がない状況で、固定資産税や維持費を払い続けることはできません。

売却しか選択肢がない、という場合もあるのです。

(もちろん、大金持ちだったら話は別。)

で、家がなくなったということは住まなくなったのですから、転出届をしなければならないのですが、転入先がありません。

だったら転出届をしなければいいのでは? というと、それも問題があります。

もとの住所の自治体が調査をして「居住の実態がない」ということになると、住民票を消除されてしまうこともあるのです。

住所がなくなってしまうのです。

病院を住所にすれば? と思われるかもしれませんが、これも問題があります。

「住民票を置かせてくれる病院」が存在するのかどうか、私にはわかりません。

でも「実際に暮らしているのは病院なんだから」ということで、病院の住所での住民登録を強行したとしたら・・・

行政からの各種お知らせなどが病院あてに行くことになり、その処理の事務負担が増えることになります。

病院本来の機能である医療にしわ寄せが行ってしまいます。

親族の方の住所で住民登録をさせてもらえば? と思われるかもしれませんが、これも難しいことが多いのです。

そもそも、親族の方のサポートが見込めないからこそ我々専門職が後見人になっているのですから。

そんなこんなで、あれこれ考えても答えは出ないし、でも「住所」は必要だし。

まさに消去法なのです。

後見人の事務所を住所として住民登録する、それ以外に方法がないのです。

で、実際にそれが出来るのかというと、「わからない」というのが答えです。

自治体によって対応が異なると思います。

というか、対応の基準もない、そんなことは想定されていない、という場合が殆どだと思います。

私の場合は「結果的に住民登録ができた」というだけのことです。

今後同じことを試みても、その時は拒否されるかもしれませんし。

 

いかがでしょう。

こんなこともあるのね、という感じで読んでいただければ。

今日書いたことは全て私の個人的な見解です。

私の所属する団体とは何の関係もありません。

そもそもこれは「見解」ではなく、ただの「経験談」です。

成年後見の現場ではこんなこともある、というお話です。

この問題についてきちんとした「見解」を示せる個人や組織は現時点では存在しないのでは、と思います。

 

 

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2020年6月27日 | カテゴリー : 成年後見 | 投稿者 : Kazuko Kataoka