【読書日記:メディシン・マン】語り手の人物造形が重要。

こんにちは。司法書士の片岡和子です。

東京は雨ですねえ。

今日はパンジー・ビオラの苗を買いに行こうと思ってました。

ご覧のとおり、我が家のベランダは色が足りずに少々寂しい感じになってしまっているので。

でも、この雨。

買い物はまたにします。

パンジー・ビオラはまだまだ間に合いますし。

 

久しぶりのブログ更新。

読書日記です。

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メディシン・マン

帚木蓬生

「風花病棟」収録

新潮社

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短編小説です。

語り手である「私」は精神科医。

大学の教室に在籍したのが十年、その後公立病院で十年、現在は民間精神病院の常勤医としてもうすぐ十年になる。

場面は一年に一回開催される同門会。

同期入局のAとの会話、写真撮影、大学病院の精神科の看護師長との会話、新任のI教授のスピーチ・・・と続いていく中で、「私」のキャラクターが明らかになっていきます。

教授選だとか病院長のポスト争いだとかとは無縁な人物。

「医師が処方する最良の薬は自分自身である」という言葉を大切にしている人物。

場面は懇親会へと移ります。

そこで声をかけてきたのが武田という若い後輩医師。

沖永良部島のTという患者を覚えているか、と。

「私」の記憶が甦ります。

ここからが物語の核心部分です。

ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが・・・

 

「Tが嘘を言っているかどうか決めて欲しい」という変わった依頼。

「イソミタール・インタヴュー」という方法を用いたTからの聴き取り。

そして作成された診断書。

 

・・・その診断書がTに幸せをもたらした、という事実が、25年の時を経て武田から告げられるのです。

この奇跡のような巡り合わせには、実は後輩医師武田のキャラクターも重要な役割を果たしています。

武田が民宿の宿帳の職業欄に、正直に、プライドを持って「精神科医」と書いたことから繋がるのです。

「イソミタール・インタヴュー」という禍々しくも感じられる素材が、涙を誘う短編に仕上がっているのは、「私」と「武田」の人物造形によるところが大きいと思います。

実は私、読んでいて泣いてしまいました、不覚にも。

短編集「風花病棟」には、この他にも魅力的な短編がたくさん収録されています。

おすすめです。

 

 

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2019年11月23日 | カテゴリー : 読書日記 | 投稿者 : Kazuko Kataoka