こんにちは。司法書士の片岡和子です。
ビオラちゃんが鉢からこぼれそうに咲いてます。
わが家のベランダは春まっさかり。
でも、花屋さんにはアジサイが並び始めてますね。
アジサイは大好きだけど、もうちょっと春を楽しみたいなあ・・・
さて、今日は読書日記です。
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大人のADHD
もっとも身近な発達障害
岩波明
ちくま新書
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こういう本を手に取ってみる時って、なにかしら「心あたり」を感じる時ですよね。
最近テレビでもよく取り上げられてる発達障害、何だか他人事じゃないような・・・。
もしかして自分も・・・というワケです。
健康番組の認知症特集をついつい見てしまうのも同じ。
鍵をどこに置いたか忘れて探し回ることが続いた、仕事でミスが増えた、記憶力が落ちているみたいだ・・・。
テレビでやってた認知症検査、けっこう難しく感じるけど、自分も引っかかるんじゃないか・・・。
不安は尽きません。
その不安をつい口にしたら、周囲から「何言ってるの。アンタが認知症なら日本中みんなが認知症でしょ。」と笑い飛ばされて、でもやっぱり不安・・・。
そんな時に雑誌でADHDの記事を見かけて読んでみると、症状として「注意の障害」が挙げられていて、
「ケアレスミスが多い」
「指示をすぐに忘れる」
「人の話をきちんと聞いていない」
なんてことが書いてある・・・。
自分は認知症じゃなくてADHDなのかも・・・と、新たな不安が生じてしまい・・・
いやいや、忙しいことです。
もちろんこれは私自身の話。
で、この本を読んでみたら・・・
登場する人たちの「困り具合」がハンパじゃない。
私が感じている漠然とした不安とは次元が違う。
ああ、これは努力や気合で何とかなる問題ではない、治療が必要な場合もある疾患なのだ、ということがわかります。
そして、驚いてしまうのが「ADHDの有病率は、国や地域によって異なっているが、小児においては5~6%、成人においては3~4%程度と想定されている。」という記述。
さらに「つまり、ADHD患者は、うつ病とほぼ同数存在しているわけであり、その総数は、わが国全体でみれば、300万~400万人というかなりの数となる。」とのこと。
これって、「疾患」として扱うには多すぎる割合・数なのでは? という疑問がわきます。
「専門学校の事務職員・峰岸大介さん」の事例では、峰岸さんが仕事でつまずく様子が描写されていますが、私から見ると「そもそも仕事の難易度が高すぎるんじゃ?」という話です。
「これは私でも同じようなことになるかも」とも感じました。
疾患が問題というよりは、「求められる能力が高すぎる時代」の問題なのでは、と考えてしまいます。
読めば読むほどわからなくなってしまい、迷路に入り込んでしまった気分です。
でも、読んだ方がいい、と思います。
だって、大人のADHDの有病率3~4%ということは、仕事上・生活上どこかで必ず遭遇する人たち、ということですから。
テレビ番組や雑誌記事のような二次情報に振り回されて不安になるのではなく、この本のように現状をよく知る精神科医が書いたものを読んで、「わからなさ」も含めて理解を試みることが必要なのだと思います。
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