超入門④ 内容証明について正確に理解しよう。

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こんにちは。片岡和子です。

世田谷区等々力で司法書士をしています。

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自由が丘や二子玉川からも便利なところです。

お気軽にご相談においでくださいね。

 

「内容証明」という言葉、ご存知ですか?

何となく聞いたことはある、という程度でしょうか。

「法的手段」と結びついた何だか怖いもの、というイメージかもしれません。

実は、「内容証明」というのは、正確にいうと、日本郵便が提供しているサービスのことです。

どんなサービスかというと「内容を証明するサービス」です。「内容」とは何の内容かというと「郵便物の内容」です。

文書を郵送する場合、急ぎたければ速達を使いますよね。

大切な文書を送る場合は書留郵便を使いますよね。

書留郵便を使えば配達の過程が追跡できますから。

きちんと配達されたことを証明するためには「配達証明」というサービスもあります。

でも、これらのサービスでは「中身に何が記載されていたのか」を証明することはできません。

そこで「内容証明」というサービスが登場、というワケです。

どうやって内容の証明をするのかというと、同じ文書を3通作成して郵便窓口へ持って行くのです。

職員が内容を確認した後、1通は先方へ送ります。

残り2通のうち1通は差出人に返されます。

最後の1通は郵便局で保管します。

こうすることによって、「どんな内容の文書が送られたか」の記録が残るのです。

このサービスを「内容証明」と呼ぶのです。

どんな場面でこのサービスが役に立つのかというと、後日、「言った、言わない」という争いになることを避けたい、なんていう場面です。

「きちんと伝えたでしょ。」という証拠を残しておくワケです。

この「後日」、「争い」、「証拠」といった要素が、どうしても「訴訟」の匂いを発散させてしまうため、内容証明郵便には「怖い」とか「法的手段」というイメージがついてくるのですね。

この副次的に発生したイメージを「心理的圧迫」として用いる、ということも実際にはなされています。

特に重要な内容でなくても、内容証明郵便で送りつければビビるだろう、という具合に。

逆に、重要なことを伝える場合でも、「心理的圧迫感を与えたくないので、あえて内容証明郵便を使わない」という選択がなされることもあります。

ところで、郵便局の窓口の職員が確認するのは「持ち込まれた3通の文書の内容が同一であること」です。

決して「文書の内容が正しいかどうか」ではありません。

日本郵便株式会社が証明するのは「いつ、いかなる内容の文書が誰から誰あてに差し出されたか」ということです。

内容が真実であるかどうかには関係がないのです。

ここのところをしっかりと理解しておけば、「内容証明が来た! 大変だ!」というパニックになることなく、冷静に対応できるのではないかと思います。

 

ナルホド、と思っていただけましたら幸いです。

 

 

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